ロールオーバーとは?バイナリーオプションでも使える?

UPDATE:2023/02/24

 ロールオーバーというものがあります。これは、デリバティブ取引において満期後もポジションを保有し続けることを指します。

 要するに『決済の引き伸ばし』ですが、これはバイナリーオプションで利用できるのでしょうか。

バイナリーオプションでのロールオーバーの可否

 結論からいいますと、以前はロールオーバー機能を備えた海外バイナリーオプション業者は存在しましたが、現在運営を続けている業者のいずれもが、ロールオーバーには対応していません。

 満期を引き伸ばすことができれば、損失になりそうになっていたオプションを利益に転換できる可能性もあるため非常に有用ではあるのですが、それ故か、かつて実装していた業者においても、ロールオーバーは1オプションにつき1回まで、使用には手数料が発生するなどの措置が設けられていたなど、無制限に利用できるものではありませんでした。

 バイナリーオプションを専門に扱う海外業者の場合、利益を出す利用者が多すぎると運営に影響が出る可能性があります。とはいえ、だからといってペイアウト率を低く設定したりユーザーが得するキャンペーンやシステムを用意しないと、群雄割拠の時代を生き残れません。

 それでも、ロールオーバーを実装している業者が現在生き残っていないということは、流石にこれはやりすぎだった、ということでしょうか。

過去ロールオーバーが利用できた業者

 どのような業者でロールオーバーが可能だったのでしょうか。

 確認した限りでは、

  • TRバイナリーオプション(トレードラッシュ)
  • VIPオプション
  • スマートオプション

 これらの業者で利用できていたようです。また、日本国内からは口座を作れない業者でなら利用できるという情報もありますが、使えないものはないものと一緒でしょう。

 国内業者については、そもそもできる業者は存在しません。

手動でロールオーバーできる?

 自動で利用できないなら、手動でならどうでしょうか。

 ここで、改めてロールオーバーについて見てみますと、

 満期のあるデリバティブにおいて、銘柄の乗り換えにより、建玉(ポジション)を満期日以降も継続して持ち続けることをいいます。

 より具体的には、先物取引において、取引最終日までに期日の売り(買い)と期先の買い(売り)を同時に行ったりすることにより、期近の満期日以降もロング(ショート)ポジションを継続することができます。

用語集 | 日本取引所グループ

 このように定義されます。

 これをバイナリーオプション向けに置き換えると、期日前に保有するコールオプション(プットオプション)の権利を行使(転売)し、改めてコールオプション(プットオプション)を買うという行動が、もっとも近いのではないでしょうか。

 よって必然的に、手動でロールオーバーを行うなら、転売が可能な海外バイナリーオプション業者を選択する必要があります。

転売が可能な業者は?

 海外バイナリーオプション業者の中で転売機能を実装しているところは、主に、

  • ハイロードットコム
  • ファイブスターズマーケッツ
  • ザオプション

 これらが代表的な業者です。ただし、いずれの業者にも転売が可能な期限や条件がありますので、利用する際にはご注意ください。

手動ロールオーバーのデメリット

 個人的には、転売機能を利用した手動ロールオーバーはおすすめしません。

 転売を行って満期を擬似的に引き伸ばすということは、つまり現在保有しているオプションが権利放棄になる公算が高いということ。その状況で転売を行ったとして、戻ってくる資金は雀の涙ほど、状況によっては権利放棄と変わらないという状況も考えられます。

 ロールオーバーに固執するくらいなら、1回1回のオプション購入に際する分析精度をより上げたほうが効率がよく、利益に繋がりやすいのはいうまでもありません。

まとめ

  • ロールオーバーとは決済期限の先延ばし
  • 自動でロールオーバーが可能な業者は現状ない
  • 手動で擬似的に可能だが、おすすめしない

 状況次第では、例えば権利行使に至るか微妙な状況下で、しかし先々の値動きは見えているという場合など、手動での擬似的なロールオーバーも有効な場合はあります。

 しかし、ロールオーバーすることに気を取られていると、出せる利益も出せなくなることも考えられますので、あまりこだわらず、ご自身にとって確実性の高い取引を心がけましょう。

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