バイナリーオプションで法人口座は使えるのか?

UPDATE:2023/01/25

 法人口座というものがあります。

 これについて大雑把にまとめると、『手続きが複雑な代わりに税率を抑えられる法人用の口座』のこと。個人事業主を含む個人の方にとっては関係のない話ではありますが、もし自身の事業を法人化しているのなら、利用すべきものとなっています。

 では、バイナリーオプションで法人口座を作ることは可能なのでしょうか。見ていきましょう。

バイナリーオプションで法人口座を作れるのか

 ではまず、国内外のバイナリーオプション業者について、法人口座開設の可否を見てみたいと思います。

国内バイナリーオプションの場合

 国内の規制に則って運営されているバイナリーオプションならば、法人口座を持てます。ただし、先述のとおりに、法人の印鑑証明や登記簿謄本などの提出といった具合に、手続きには手間がかかります。

 また、法人口座でバイナリーオプションに取り組むメリットとして先程挙げた税率を抑えられるというのは、そもそも税率が一律の国内バイナリーオプションには関係がありません。一応、損失の繰越が、個人口座では3年であるのに対し、法人口座なら条件次第で10年まで繰り越せる点もメリットではありますので作っておいても損はありませんが、あえて法人化して口座を作るくらいなら、個人口座のままでも問題はないでしょう。

海外バイナリーオプションの場合

 では海外バイナリーオプションだとどうなのかというと、こちらでは法人口座を持つことはできません。

 海外バイナリーオプションはあくまで個人口座でのやり取りとなりますので、残念ながら法人口座での取引は諦めましょう。

個人口座を法人口座代わりに使うのは可能か

 では、個人口座を法人口座代わりにしてバイナリーオプション取引は可能なのでしょうか?

 これについては、後述、とくに後半の理由によりやめておいたほうが賢明です。

節税を実感するにはかなりの利益が必要

 海外バイナリーオプションは総合課税対象のため、利益を上げれば上げるほど税率が上がります。

 以下に、課税対象となる合計所得金額に比した税率と控除額をまとめました。

税率 控除額
195万円以下 15% 0円
~330万円 20% 97,500円
~695万円 30% 427,500円
~900万円 33% 636,000円
~1,800万円 43% 1,536,000円
~4,000万円 50% 2,796,000円
それ以上 55% 4,796,000円

 これが法人口座の場合、最大でも33%までに税率を抑えられます。通常が最大55%であることを考えると、かなりの節税になりそうです。

 しかしそれは、裏を返せば年間900万円以上利益を出さないと意味がないとも言いかえられます。バイナリーオプション以外も合算すれば到達は可能かもしれませんが、バイナリーオプション単体でとなるとそう簡単な金額ではありません。

国税庁が認めない可能性が高い

 ケースによっては、個人口座であっても法人の所有物として認められることはあります。しかし通常は、法人用の口座は法人口座でなければ、国税庁に認められないことがほとんどです。

 仮に、個人口座のバイナリーオプションで上げた利益を法人の利益として計算した場合、国税庁が認めなければ法人としての税金は過払いとなり、対して個人での納付義務分は未納となり、最悪延滞税が発生します。

 そうなれば、たとえ過払い分の返還があったとしても結局余計に税金を支払うことになりかねません。このことにより、個人口座を法人口座として利用するのは控えたほうがいいでしょう。

まとめ

  • 法人口座は国内バイナリーオプションでは作れるが海外バイナリーオプションでは作れない
  • そもそも節税効果を実感するには相応の利益が必要
  • 個人口座を法人口座代わりに使うのはやめておいたほうがいい

 海外バイナリーオプションでは、例外なく法人口座の開設が不可能です。だからといって個人口座を法人口座扱いで処理してしまうと、後々余計な出費をする可能性が出てくるので、諦めて個人口座として活用するか、法人口座が使える国内のバイナリーオプションを利用しましょう。

 くれぐれも、ハイロードットコムなどの海外バイナリーオプションで法人口座を開設できるなどという胡乱な情報には惑わされませんよう。

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