業者間アービトラージとは?バイナリーオプションでは禁止されている?
UPDATE:2023/01/31
ハイロードットコムなどの規約を読んでみると、とある禁止事項が目に入ります。
以下の事由に一つでも該当する場合、口座が強制的に解約されます。※以下、一部略
- 業者間アービトラージ等の自動売買ソフトの利用の疑いがあると弊社が判断する場合
この、業者間アービトラージとは、どういった行為なのでしょうか。これが分からないと、知らないうちに規約に抵触し、口座が強制解約されてしまうかも知れません。
そうならないためにも、業者間アービトラージについて、しっかりと把握していきましょう。
アービトラージとは
アービトラージとは、日本語では裁定取引と呼ばれ、同一商品の価格差を利用して利益を得る手法のことです。
仮に、ある同一の金融商品の現物と先物が取引されているとします。このとき、生じた価格差(歪み)を見て、割高なほうを売り、割安のほうを買います。その後、両者の価格差がなくなるタイミングで反対売買を行うことで利益を出します。
このアービトラージを用いた手法は複数存在しますが、その中で最も活用されるのが、業者間の価格差を狙って取引する業者間アービトラージです。
例えば、ドル円の価格が、A社では112円、B社では114円だったと仮定します。このとき、B社では売り注文、A社では買い注文を出し、両者の価格が113円に収束したタイミングで決済することで、1通貨ペアにつき2円の利益が生じます。
実際の為替レートでは、配信元が違ったとしても1円単位での歪みが生じることはほぼありません。
アービトラージのメリット・デメリットは?
このアービトラージは、理論上は確実に利益を出せる手法と言われており、また、業者ごとのレートの違いを見て取引するため、テクニカル分析の必要がありません。
ただし、そのためには価格差が生じるタイミングを見極めるため、チャートに張り付く必要があります。また、サーバーに負担をかけてしまうことから、禁止している業者も少なくありません。
そもそもバイナリーオプションで利益を出せるものなのか
結論としましては、バイナリーオプションで業者間アービトラージを行う意味はないと考えられます。業者が禁止しているからということ以前の話として。
先述した『理論上は確実に利益を出せる』というのは、FXなどの場合であり、バイナリーオプションでは、ペイアウトが2倍以上ない限り、片方が負けた時点で損失が発生します。つまり、ほぼ確定で損失が発生する売買方法といえるのです。
では、ペイアウト率が2倍以上ある取引を行えばいいのでは――理屈の上ではそのとおりです。しかし、2倍を超えるペイアウトが設定されているのは、大半の場合スプレッド取引。このスプレッド取引には文字通りスプレッド=負け判定となる範囲が設定されているため、最悪の場合どちらも損失となる場合があります。
より具体的に
スプレッド取引は、

このように、判定外となってしまう部分が生じます。この範囲内で決済を迎えると、方向があっていようが負け判定になり、損失で確定します。
もし業者間アービトラージを行っている取引で、どちらの決済もこの範囲内に収まってしまった場合、損失が倍になってしまうのです。
ペイアウト率が2倍以上ある通貨ペアが確認されている取引は、
- ハイロードットコム……30秒取引/スプレッド各種取引
- theoption……30秒取引/スプレッド各種取引
と、このようにスプレッドがあることが前提といっても過言ではありません。
また、仮にハイロードットコムとtheoption双方の30秒取引で業者間アービトラージを行ったとしても、同値による購入額回収が行われ、損失となります。
ハイロードットコムは全ての取引に対して、theoptionは短期取引の場合にのみ、アット・ザ・マネーは負け扱いとして購入額は返金されません。
ちなみに
上述2社の利用規約を確認しましたが、実は、業者間アービトラージ自体を明確に禁止しているバイナリーオプション業者はありませんでした。
ハイロードットコムに関しては禁止していると判断出来なくもありませんが、ザオプションは自動売買ツールは禁止していても業者間アービトラージは禁止されていないようです。
とはいえ、業者間アービトラージは手動で行うには向かない取引で、自動売買ツールはほぼ必須といってもいい取引方法ですので、いずれにせよバイナリーオプションで取り組むメリットはないといっていいでしょう。
まとめ
- アービトラージとは価格差を利用した取引方法
- バイナリーオプションでは確実性が低い
- それ自体は禁止されているわけではない
株式市場や、近年では仮想通貨市場においても利用されているアービトラージですが、バイナリーオプションではあまり使い道がない手法だということが分かりました。
業者間アービトラージを行ったからといって、即口座凍結、あるいは強制解約となるわけではありませんが、アービトラージ自体が自動売買ツール前提みたいなところもありますので、規約違反のリスクを考慮するなら、取り組まないほうが賢明といえるでしょう。
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