為替レートのノイズはバイナリーオプションで有効活用できる?できたら苦労しません
UPDATE:2022/03/29
ノイズというと、雑音のことを思い浮かべる方が大半かと思います。
正確にいえば『ノイズ』とは、本来処理対象となるものとは関係ない、余計な情報のこと。代表的なものは音楽における雑音やハウリング、映像分野におけるブロックノイズなどがあります。
さて、為替取引においても、ノイズは存在します。今回は、為替レート上に現れるノイズに関する解説、ノイズは予測可能かどうか、バイナリーオプションにおいてノイズは有効活用できるかなどを、お話したいと思います。
ノイズとは
為替レート上のノイズとは、

上記画像(ハイロードットコムの取引画面)の所々にある、一瞬だけ現れる急激な値動きのこと。大抵の場合は、変動後に元のレート付近まで値を戻します。
ノイズは予測可能?
さて、このノイズですが、先に結論をいってしまうと、予測の難易度が非常に高く、取引の判断材料としての利用は現実的ではありません。
巷では、『ラインチャートがほぼ垂直に推移したらそれはノイズだ!』などという声も聞きますが、それが真実であるという論理的な根拠がありません。
あとからチャートを見て「ほら、ここ、垂直に値動きしたあとに元に戻ってるでしょ?」と言うことは誰にでも出来ます。ですが、それが発生したときに、これはノイズだと断言できる予測方法は、確立されていません。
そもそも、ノイズとは言い換えればダマシと同義です。ダマシを完全に予測する手段や、確実に回避する分析方法がないのですから、ノイズの予測は当然不可能なのです。
何故ノイズは発生する?
ダウ理論によれば、平均は全ての事象を織り込みます。すなわち、何故ノイズが発生するのか=何故為替レートが動くのかは、ありとあらゆる要因がそこに織り込まれた結果といえます。
生じたノイズの原因は、どこかの誰かが大量に通貨ペアを取引した結果かも知れないし、それ以外に理由があるのかも知れない。もしかしたら、レート配信元との通信ラグによる影響ということもありえます。
どういうことかというと、為替レートにノイズが乗る原因は、極論すれば不明であるということです。
バイナリーオプションにおけるノイズの扱い
とはいえ、瞬間的なノイズは、中長期的な取引においては大きな影響を与えません。トレンド転換のサインに紛れ込んでくるようなノイズの場合は、逆張りのトレーダーにとっては面倒極まりないものではあるでしょうが、それはひとまずここでは置いておくとしましょう。
ノイズは、短期取引であるところのバイナリーオプションでは非常に厄介です。特に、決済のタイミングで発生したノイズによって、本来なら利益が出ていた取引が損失で終わることは往々にして起こり得ます。
予測不能なのだから活用のしようがない
一番いいのは、ノイズを上手く読んでエントリーや決済に影響が出ないよう対処することです。しかし、先述の通りノイズの予測は非常に困難。となれば、バイナリーオプションにおいてノイズの活用は難易度が高いと言わざるを得ません。
例えば、非常に強いトレンドに対する順張りならば、ある程度のノイズ発生は許容可能です。しかしそれでも、急激なノイズが発生する可能性は完全に否定しきれるものではありません。こればかりは、為替が生き物である以上どうしようもないのです。
逆張りのチャンス?本当に?
さて、ノイズに関する調査の中で、いくつか、「ノイズが発生したらその逆にエントリーすることで利益が得られる!」とする記述を見つけました。
これ、果たして本当にそうでしょうか? 発生したそのレート変動が、本当にノイズかどうかも分からないのに?
天才的な直感や屈指の分析能力があれば、それがノイズかトレンドの転換かを読み解くことは出来るかも知れません。しかし、そんなのは一部の限られた人間にのみ可能な技術ですし、果たして本当にそんな事が可能な人間がいるのかも疑わしい。
加えてそれ以前に、急激に為替レートが変動しているタイミングでのエントリーは、約定拒否の可能性が高くなります。

バイナリーオプションにおける約定拒否の原因と対策を紹介!レート操作の疑惑も検証
何が言いたいのかというと、ノイズを使った攻略法などというものは、論理的根拠や推論に基づかない、いわば博打と何ら変わらないエントリーと同様のものであり、行うべきではないということです。
まとめ
- ノイズ発生の予測や発生原因の解明は不可能
- バイナリーオプションにとってノイズは場合によっては致命的
- しかし取引に活用は出来ない
どれだけ実力のあるトレーダーであっても、完璧にノイズを回避することは出来ません。突然発生したノイズの影響で、損失が出てしまうこともあるでしょう。
特に、短期的な取引であるバイナリーオプションにとっては、ノイズは致命傷となってしまうこともあります。そのくせ予測不可能回避不可能ときたものだからたちが悪い。
野性的な勘も何も持っていない我々に出来ることは、テクニカル分析の精度をひたすら上げ、可能な限りノイズが発生しないであろうタイミングでの取引に全力を注ぐことだけなのかも知れません。