押し目買い・戻り売りはバイナリーオプションで取り入れるべき取引方法なのか?

POST:2022/02/01

 バイナリーオプションにせよFXにせよ、ハイ(買い)ならできるだけ安いタイミングで、ロー(売り)ならできるだけ高いタイミングでポジションを取りたいものです。

 特にトレンド相場の発生が確認できている場合、そう考えてエントリーのタイミングを図るトレーダーは少なくありません。安いときに買って、高いときに売りたいと思うのは、人として当然の心理といえるでしょう。

 このように、トレンド相場中に発生する一時的な反発のタイミングで、トレンド方向にエントリーすることを、『押し目買い』や『戻り売り』といい、上手くエントリーできれば利益を大きく伸ばせる手法です。

 では、バイナリーオプションにおいて、押し目買い、戻り売りはどの程度有効なのでしょうか?

押し目買い・戻り売りとは

 為替レートには、大きく『トレンド相場』『レンジ相場』の2種類があり、多くの場合トレンド相場でトレンド方向にポジションを取ったほうが、安定して利益が出る確率が高くなります。

 トレンド方向にエントリーする行為を『順張り』といいます。先述の通り、押し目買い・戻り売りは、この順張りでエントリーする際に、トレンドが一時的に反発したときにトレンド方向にポジションを取ります。

 トレンド相場では、常にトレンドの方向にレートが動いているわけではありません。トレンド相場であっても、為替レートは細かく上昇と下落を繰り返しています。

 上昇トレンド中に発生する一時的な下落を『押し目』、下降トレンド中の一時的な上昇を『戻り目』といい、具体的には、

押し目の例 戻り目の例

 このようなポイントを指します。

押し目・戻り目は何故現れる?

 ローソク足チャートはトレーダーの心理を表す指標であり、これら押し目・戻り目にもそれが反映されています。

 例えば、上昇トレンド中に押し目が現れるのは、一部のトレーダーが『そろそろ決済して利益を確定してしまおう』と判断したと考えられます。この判断を大多数のトレーダーが下したのなら、トレンドは終了しレンジ相場、あるいは下降トレンドへ移行することになりますが、この、『一部のトレーダーの利益確定』タイミングを待っているトレーダーも少なくありません。彼らが新たに買い注文を入れることで、上昇トレンドは継続することになります。

 何故一部のトレーダーが利益を確定させたがったのかについては様々な要因が考えられます。単に利益が出ているからだったり、何らかの分析により為替の下落を予測したからだったりと、それは人それぞれ異なるでしょう。

 あるいは、売りポジションを有していたトレーダーが、これ以上の損失を防ぐためにポジションを手放したとも考えられます。

 戻り目の場合も同様です。単にエントリーの方向が逆になっただけで、違いはありません。

押し目や戻り目の判断方法

 押し目・戻り目を判断するためには、『トレンドライン』の把握が重要です。

トレンドラインの正しい引き方とバイナリーオプションで活用する方法

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 また、『移動平均線』もよく用いられます。

移動平均線はバイナリーオプションでどう見る?グランビルの法則も徹底解説

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 トレンドラインは、上昇トレンドなら安値同士を結んだ支持線(サポートライン)が右上がりに、下降トレンドなら高値同士を結んだ抵抗線(レジスタンスライン)が右下がりになります。まずはこの傾きの度合いを確認し、トレンドがどの程度の勢いを有しているのかを確認しましょう。

 あるいは、『アリゲーター』『オーサムオシレーター』などを用いてトレンドの勢いを見る方法もあります。

 何らかの方法でトレンドの勢いを確認したら、今度は移動平均線に注目します。

 移動平均線とローソク足は『グランビルの法則』によって示されるレートの騰落に関する法則があります。これに従えば、例えば上昇トレンド中に移動平均線も上昇している場合に、上にあるローソク足が一時的に移動平均線の下へ抜けた後再上昇したり、移動平均線に近づくも交差せずに再上昇した場合、レート上昇のサインとされています。

 上の画像でも、赤の短期移動平均線を一時的に抜けたあと再上昇、そのまま上昇トレンドを維持しているのがお分かりいただけるかと思います。

 ただし、トレンドの勢いが弱いと、そのままトレンドが終了する可能性があります。そのため、先述の通りトレンドの勢いの把握が重要となってきます。

 また、トレンドの勢いが強かったとしても、世界情勢の変化などで為替が急変する可能性もあります。チャートの分析に絶対はありませんので、ご注意ください。

押し目買い・戻り売りのリスク

 押し目買いや戻り売りは、ただ単にトレンドに乗った順張りよりも利益を出せる可能性がありますが、同様にリスクもあります。

 ここからは、押し目買い・戻り売りを行う上で無視できない危険性について説明いたします。また、最後に、バイナリーオプションで利用できるのかどうかについても、触れています。

 以下、原則として押し目買いの場合を想定して解説します。戻り売りはその逆となりますので、適宜補完してください。

高値つかみになる可能性

 高値つかみとは、ポジションを建てたあとに値下がりする状態を指し、押し目買いが抱えるリスクで最も大きいものといってもいいでしょう。

 押し目の理解が曖昧なままで無理に押し目買いをしようとすると、トレンドの転換点が迫っている、あるいはすでにトレンドの終了が目に見えているにも関わらずポジションを建ててしまい、損失を被ることがあります。

 これを回避するためにも、押し目買いを行う際には、必ずトレンドの勢いを確認するようにしましょう。

 ちなみに、高値つかみの逆パターン、つまり戻り売りに関わるリスクの場合は、底値売りといいます。

確実とは言い難い

 事程左様に、押し目買い戻り売りは確実な取引手法ではありません。トレンドの見極めが甘いうちは取り入れるべきではありませんし、無理に押し目買いを狙うくらいなら、単にトレンドに乗った順張りだけを狙い、まずはチャート分析に慣れるべきです。

 また、無理に押し目買いをしようとしてタイミングを待っていたら、いつの間にかトレンドが終わりに近づいていたということも起こり得ます。そうなっては、せっかくトレンド相場で利益を出すチャンスだったのに、それを逃すこととなります。

 ちなみに、このように押し目を狙って結局タイミングを逃すことを、『押し目待ちに押し目なし』といいます。

 戻り目の場合は、『戻り待ちに戻りなし』となります。

そもそもバイナリーオプションで使えるのか?

 さて、ここまでお読みいただいた方ならある程度気がついているかも知れません。

 押し目買いも戻り売りも、バイナリーオプションにおいてはそれほど重要な手法ではないということに。

 バイナリーオプションにおいて重要なのは、決済のタイミングでレートが上昇しているか下落しているかだけであり、その値動きの幅は利益に影響しません。つまり、強いトレンドが発生しているならそのトレンド方向にエントリーすればいいだけのことなのです。

 勿論、決済のタイミングで押し目や戻り目が発生する可能性は否定できません。しかし、わざわざ押し目買いや戻り売りを狙う必要は、バイナリーオプションに関しては皆無といっても過言ではないでしょう。

 押し目買いと戻り売りをしっかりと活用できれば、より騰落予測の的中率を上げられるのは間違いありませんが、無理にやるようなものでもありません。

まとめ

  • 押し目買い・戻り売りは、トレンドの一時的な反転の際に順張りでポジションを建てること
  • トレンドの勢いには要注意
  • バイナリーオプションではさほど役に立たないかも

 押し目買いや戻り売りは、場合によってはFXでは有用なエントリー手法です。しかしバイナリーオプションでは、知識として持っておいても損はないものの、積極的に狙っていくようなものではありません。

 しかし、使いこなすことができるようになれば、より利益を出しやすくなるのは間違いありませんので、すでに基本的な分析技術がある方は、狙ってみてもいいのではないでしょうか。

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