学生が扶養内でバイナリーオプションで利益を出す上限額は?
POST:2022/12/27
学生の方にとって、収入を扶養内に抑えるのは大切です。勿論、扶養から外される条件となる収入額が、その扶養控除額を上回るのであれば問題ありませんが、なかなかそう上手くはいきません。
では、扶養から外れない範囲内のバイナリーオプションの利益は、どの程度の額なのでしょうか。今回は、学生の方の条件に当てはめて、それぞれの状況ついて、解説いたします。
扶養控除が適用される条件
納税者に所得税法上の控除対象扶養親族となる人がいる場合には、一定の金額の所得控除が受けられます。これを扶養控除といいます。
上記のとおり、扶養控除は所得税を対象としたもので、その控除額は控除の対象となる親族の区分によって変わります。
控除額 | |
---|---|
控除対象扶養親族 | 38万円 |
特定扶養親族 | 63万円 |
同居老親以外 | 48万円 |
同居老親等 | 58万円 |
控除対象扶養親族とは、税計算に用いられる年の12月31日時点での年齢が16歳以上の親族を指し、その中でも19歳以上23歳未満の方を特定扶養親族、老親の扱いはその年の12月31日時点で70歳以上の方を指しています。
これらの条件に当てはまり、かつ以下の条件も満たした場合、上記表の控除額が所得税から控除されます。
- 配偶者以外の親族、または養育を委託された里子、老人
- 納税者と生計を一にしていること
- 年間の合計所得金額が48万円以下、給与収入のみの場合は103万円以下
- 青色申告者の事業専従者でその年一度も給与を受け取っていないか、白色申告者の事業専従者でない
ちなみに配偶者の場合は扶養控除とは別に配偶者控除がありますが、こちらの条件もほぼ同様です。相違点は納税者との関係性が『民法上の配偶者である(内縁関係は該当しない)』であることと納税者の合計所得金額が1,000万円未満であるという点です。
さて、この条件の内、学生の方にとって気にするべき点は『年間合計所得』の部分です。
具体的には上記にあるとおり、年間の給与収入が103万円、給与以外の所得がある場合は48万円を超えると、納税者≒親が支払う税金が増加し、自身も納税の義務が生じます。
一人暮らしの場合
さて、大学生ともなれば、一人暮らしをしている方も多くなるでしょう。その場合は条件はどうなるのでしょうか。
これについては、実は条件は変わりありません。住民票を実家に置いたままでも、現住所に移しても、上記条件に当てはまる限りは扶養の対象内です。
一人暮らしで住民票を移した場合、世帯主が自分になることから扶養から外れると思われるかも知れませんが、税法上においてはそれだけでは扶養の対象外とはみなされません。
学生の場合例外措置がある
勤労学生控除というものがあります。
これは、学校教育法に規定された小学校、中学校、高校、大学、専門学校、もしくは職業訓練法人に通う学生に対して、年間130万円以下の給与収入までは控除の対象となるものです。
具体的には『合計所得金額が75万円以下、かつ給与以外の所得が10万円以下』が条件となっており、130万円というのは『75万円という条件に給与所得控除分の55万円を足したもの』です。
ただし、この控除については手続きが必要となっていますので気をつけましょう。
バイナリーオプションで扶養を維持する利益額
では、具体的には、学生がバイナリーオプションの利益を扶養内に納める上限額はどのくらいでしょうか。
アルバイトをしていない場合
アルバイトをしていない場合、バイナリーオプションでの利益が48万円を超えなければ、扶養控除の恩恵が受けられます。
月間で4万円程度とあまり多いわけではありませんが、留意しておきましょう。
アルバイトをしている場合
アルバイトをしている場合は、そのアルバイトでいくら給料を受け取っているのかによります。
もし年間の収入が48万を超えている場合、この時点でバイナリーオプションで利益を出してしまうと扶養控除の対象外となります。103万円の条件はあくまで『給与所得のみの場合』ですので、これ以外の収入がある時点で条件外となります。
給与所得が48万円未満なら、48万円から給与所得分を引いた額が、バイナリーオプションで稼げる上限となります。
アルバイトをしていて勤労学生控除を受ける場合
勤労学生控除を受ける場合、バイナリーオプションでの利益の上限は10万円です。もしバイナリーオプション以外にも給与所得以外の収入がある場合は、10万円からそこで得た利益を引いた額が上限です。
まとめ
- 学生で扶養控除を受ける際に気をつけるラインは年間48万円
- 給与だけなら最大130万円まで可能
- 勤労学生控除の場合バイナリーオプションは年間10万円まで
最終的には自立のため扶養から外れることになりますが、学生の間は扶養からはみ出さないよう意識したほうがいいかも知れません。
勿論、冒頭に述べたとおり、扶養からはみ出て税金を支払っても、そちらのほうが家族含めて利がある場合はその限りではありません。扶養控除を活用するか、控除をなくしてでもがっつり稼いで税金を払うか、ご自身の目的によって決めましょう。