ローソク足って何者?バイナリーオプションで超重要!まずは基礎から
UPDATE:2021/09/28
ローソク足というのを聞いたことはあるでしょうか?
簡単にまとめると、ローソク足とは一定期間の値動きを1本の棒で表したもの。株式の世界やFXでは定番のチャートとして、広く活用されています。
バイナリーオプションにおいても重要なテクニカル分析の基礎ともなるこのローソク足、具体的には如何なるものか……可能な限り噛み砕いて、分かりやすく解説いたします。
こと為替相場においては、FXでよく活用されている都合上、バイナリーオプションには直接関係ない用語での解説も含まれます。
特に『買い』や『売り』といった表現は、バイナリーオプションでは使われませんので、混乱をきたすかも知れません。
その際は、『買い=今後相場が上がる』『売り=今後相場が下がる』と置換をお願いします。
ローソク足とは人の心理である
分かりやすく、なんて言っておきながら、いきなり何言っているんだこいつは。そう思われるかも知れません。
また、「そういうのはどうでもいい!」という方は、このまま次項に進んでいただいても構いません。
……さて、改めまして。ローソク足とは人の心理であるとは、つまりどういうことか。
これは、実際の売買による値動きが、グラフとして最も如実に現れるのが、ローソク足だからです。
そもそもローソク足とは
ローソク足、あるいはローソク足チャートとは、海外名である『Candlestick chart』の和訳……ではなく、日本発祥、それも江戸時代に本間宗久という米商人が考案したものとされています。
一定期間の値動きをひとつのグラフとして単純化できてしまう手軽さと見やすさから、最も基本的なチャートとして、国内外問わず多くの投資家、トレーダーに活用されています。
表しているのが値動きなので、為替以外にも利用できます。
実際に用いられるのは株価や為替が大半ではありますが、野菜や果物の値動きだって表せますし、何なら、トレーディングカードゲームのシングルカード売買価格でだって利用できます。
……まあ、TCGに関してはどう活用すればいいのかという話ですが。
完成したローソク足の基本形は、このような形です。


左が、その期間内に価格が上昇していることを示す陽線、右が下降していることを示す陰線と呼ばれています。これらが連なることで、ローソク足チャートとなります。
期間は、例えば5分だったり1時間だったり、こちらで自由に範囲を選択できます。
区切り方によって『分足』『時間足』『日足』『週足』といった風に括られますが、見方そのものはどの期間を選んでも同一です。海外バイナリーオプションでは、分足を主に使用します。
また、当サイトでは陽線を枠のみ、陰線を黒塗りで表していますが、これは使用するツールやサイトなど、環境によって変わります。予めご了承ください。
図に示したとおり、それぞれの末端が『高値(たかね)』『安値(やすね)』『始値(はじめね)』『終値(おわりね)』を示しています。
始値とは
その期間が始まった際の値を示します。陽線の場合、値が上昇していますので、下段が始値、陰線の場合はその逆となっています。
終値とは
その期間が終わった際の値を示します。こちらも始値と同じく、陽線では上段、陰線では下段が終値となります。
また、始値と終値が作る箱の部分は『実体』と呼ばれています。
ローソク足の終値と、次のローソク足の始値は、必ずしも同じ値を取るわけではありません。むしろほとんどの場合、多少、あるいは大きなズレが発生します。
これは、ローソク足同士の間には、僅かな時間差があるためです。
ほんの1秒前後の時間差ではありますが、値動きが激しかったりすると、終値と次の始値の間には大きな間隔が生まれます。
この間隔のことを『窓』と呼び、チャート分析の際にも活用される場合があります。

ローソク足チャートの見方・酒田五法について
高値とは
その期間内で最も高かった値を示しており、後述する終値や始値次第では出現しないこともあります。
安値とは
その期間内で最も安かった値を示しており、こちらも高値同様、出現しないこともあります。
また、実体の両端からそれぞれの値に伸びる線を『ヒゲ』と呼び、それぞれ実体の上端から高値までの線を『上ヒゲ』、実体の下端から安値までの線を『下ヒゲ』と呼びます。
何故人の心理なのか
これがどう人の心理と関係があるのでしょうか。
心理などと大仰な言い方をすると少々ややこしくなりますが、要するに、買いたい人が多ければ値段は上昇=陽線が現れ、売りたい人が多ければ値段は下落=陰線が現れるというだけのお話です。
買いたい人が多く、勢いが強ければ、多少値が上がってもその流れは変わりません。
ですが、上がりすぎれば当然買う人間はいなくなり、逆に売りたがる人間が出始めます。
そうして売りたい人が増え、そちらへの勢いが強まれば、今度は値段が下がっていきます。そして値段が下がっていけば、やがて買いたいという人が増え……このループが、繰り返されるわけです。
ローソク足は、この『売りたい、もしくは買いたいという人の思いの強さ』を図示しているのです。
実際のローソク足の見方
ここまで読み飛ばした方のために、再度ローソク足の形をお見せします。


さてこちらのローソク足、上下均等に出ていますが、実際のチャートに現れるローソク足は、もっと多種多彩です。
ヒゲが片側にしかなかったり、どちらにもなかったり。あるいは実体が異様に長かったり、かと思えばただの線でしか出てこなかったり……
これらを一気に見ようとすると、ごちゃついてしまいますので、実体とヒゲ、それぞれに分けて見ていきたいと思います。
実体から見る相場の情報
それではまずは実体のほうから。
といっても、実体は非常に単純で、実体の長さ=相場の勢いを示します。
例えば、相場が上昇中のときに実体が長い陽線が現れた場合、相場が上昇する勢いがまだまだ強く、更に値上がりする可能性があります。逆もまた然り。
こういった、実体が長いローソク足のことは、陽線の場合は『大陽線』、陰線の場合は『大陰線』と呼ばれます。
ただし、もし高値圏で大陽線が出たり、安値圏で大陰線が出た場合には、そこが上げ止まりあるいは下げ止まりの可能性もあります。
大陽線の場合を例に取ると、
- 売却時よりも値上がりしたため、買い戻すトレーダー
- 買いポジションを売って利益確定させるトレーダー
この双方が現れるために発生します。
こうなると、トレンドは逆転する可能性が高くなります。もし次のローソク足の実体が短い場合は、よりその確率は上がります(上昇の勢いが死んでいるため)。
この場合は、バイナリーオプション的には『下がる』ほうにポジションを取ったほうがいいでしょう。
ちなみに、こういったトレンドと逆方向にポジションを取ることを、『逆張り』といいます。
ヒゲから見る相場の情報
では、ヒゲからは何が読み取れるでしょうか。
ヒゲからは、トレーダーがその価格に対してどんな判断を下したのかが見えてきます。
例えば、

このような陽線が出たとします。
このとき、
- 120円が高いと多くのトレーダーが判断し、売りに動く
- 売り注文が増えたため価格が下がり、115円で終値を迎える
という状況が発生したことが、ローソク足から読み取れます。
これを言い換えると、レート上昇に対し、警戒感が出てきたということになります。
もし売りがあまり発生していなければ、高値と終値の間には大きな乖離は発生しません。売りに動いたトレーダーが多いということは、これ以上は値上がりしないだろうと判断し、利益を確定させたトレーダーが多いとも言えます。
ちなみに、このようなローソク足が出た場合、注意が必要です。
サンプルでは、『下ヒゲがなく上ヒゲが長い、実体の短い陽線のローソク足』を提示しましたが、これは通称『陽のトンカチ』とも呼ばれるサインのひとつです。
もし上昇中の高値圏でこのローソク足が現れたら、下落に転換する可能性が大きくなります。
バイナリーオプションにおいてこの状況に直面した場合、先程のものと同様『下がる』ほうにポジションを取ったほうがいいでしょう。
気をつけたいローソク足の形
ローソク足は、その単純な形状からは想像もつかないほど様々な情報を提示してくれます。
でも……正直、全部全部いちいち推測していたら、きりがないと思いませんか?
多くの方がそう考えたのでしょう。今では、いくつかのローソク足に名前をつけ、それを売買のシグナル、あるいは警戒する目印として活用するようになりました。
この項目でいくつか代表的なものをまとめてご紹介しますので、是非ご活用ください。
丸坊主

ヒゲがなく、実体が長いこちらのローソク足は、『丸坊主』と呼ばれています。
これらは、それぞれのトレンドの方向(陽線は上昇、陰線は下降)の勢いが強く、今後もそちらの方向へと動く可能性が高く出ます。
大引け坊主/寄付き坊主

丸坊主とよく似ていますが、『大引け坊主』はトレンドとは逆方向にヒゲが、『寄付き坊主』はトレンド方向にヒゲが発生しています。
大引け坊主はトレンド方向に伸びる可能性が高いローソク足ですが、寄付き坊主の場合は少々警戒が必要です。
陽の寄り付き坊主で考えますと、高値を下回って終値を迎えていますから、トレーダーの買う勢いがやや弱まった=上昇に対する警戒感が出てきたと読み取れます。
今後どちらに動くか、これだけでは判断できませんので、一旦ポジション取りはスルーしたほうがいいかも知れません。
カラカサ/トンカチ

トンカチについてはすでに先述しています。『カラカサ』についても考え方は同じで、それぞれの場合で逆張りを検討してもいいでしょう。
コマ

この『コマ』の状態にあるローソク足が出たときは、相場に迷いが生じている証拠です。
上昇するか下降するか非常に読みづらい形ですので、安易にポジションを取るのは控えたほうが懸命でしょう。
一本線/十字線/トウバ/トンボ

最後に、実体がないローソク足をまとめてご紹介します。
左端の『一本線』では、相場が期間内に全く動いていません。前後のローソク足をよく見て、場合によってはポジションは取らずスルーしてもいいでしょう。
その隣の『十字線』は、直前のトレンドが転換する際によく現れるローソク足です。上昇と下降の勢いが拮抗しているために発生します。
最後の2つ、『トウバ』と『トンボ』は、ローソク足の形状は正反対ですが、いずれも高値圏、安値圏で出たときに相場が転換する可能性を有しています。
途中途中で『高値圏』『安値圏』という単語を使いましたが、これは、『過去一定期間の中で最高値/最安値に近い価格帯』のことです。
バイナリーオプションでローソク足をどう活用するか
ここまで、ローソク足の基本情報をお伝えしました。
とはいえ、ローソク足は基本的にローソク足チャート上の複数本を見て分析するものですので、1本分の情報では何かと不足しがちではあります。
ですが、そもそもの基礎を知ると知らないとでは大違いですので、頁を割くことにしました。
さて、このローソク足をどうバイナリーオプションで活用するか、ですが――もうお分かりではないでしょうか?
ローソク足の形状やチャートの出方で、為替が今後上がるのか、それとも下がるのかはある程度予測が可能です。これをしっかり活用して、勝てるポジション取りを徹底しましょう。