全ての基本『ダウ理論』とは?バイナリーオプションに応用できるか?
UPDATE:2022/08/04
19世紀後半。証券アナリストであったチャールズ・ダウが、ある理論を提唱しました。
その理論はチャート分析の源流として、今現在も多くのトレーダーに重視されています。
今回は、そんな『ダウ理論』をご紹介。バイナリーオプションのトレーダーにも重要視されるダウ理論の基本法則6つを、それぞれ解説いたします。
- 平均は全ての事象を織り込む
- トレンドには3種類ある
- 主要トレンドは3段階からなる
- 平均は相互に確認されなければならない
- トレンドは出来高でも確認されなければならない
- トレンドは明確な転換シグナルが発生するまでは継続する
- ダウ理論まとめ
平均は全ての事象を織り込む
平均というと何のことやらというお話ですが、ここでいう平均とは要するに『為替レート』のことです。
為替レートの変動には、ありとあらゆる出来事が影響を与えます。各国の『経済指標』や『金融政策』の他、政治的な出来事や自然災害にも、為替レートは反応を示します。
自然災害による代表的な例は、東日本大震災発生時における、日本円の急激な高騰です。
震災が発生した3月11日には82円台で推移していた米ドル円レートは、17日には76円台にまで高騰。これは阪神淡路大震災時に記録した高値を超え、史上最高値となりました。
円高が進んだ背景には、「被災者への保険金支払のため、海外の株式や債券を保有している保険会社が、円の確保のために売却に動くのでは」という予測から、トレーダーが円の買い上げに走ったからとされています。
実際には、保険会社による売却は確認されていませんが、その他にも、
- 国内の企業が再建や問題解決に集中し、海外との取引を控えた
- 保有する工場などの復旧のため、資金確保を目的に会社が保有する海外株式などを売却した
などの要因もあったのではと言われています。
こうした、何かしらの状況によってレートの値動きを予測する分析法を、『ファンダメンタル分析』といいます。

ファンダメンタル分析とは?バイナリーオプションでも通用するか?
とはいえ、この『平均はすべての事象を織り込む』というのは、ファンダメンタル分析について言及しているというよりも、むしろ『テクニカル分析こそが重要である理論的根拠』を指しているといったほうがいいでしょう。
全てが為替レートに現れるのなら、その値動きだけを分析すればいいということでもあるのです。
とはいえ、テクニカル分析だけでは、突発的な出来事には対応できません。
雇用統計などの重要指標発表のタイミングやゴトー日には注意しましょう。
もっとも、ダウ理論におけるこの文言には、より重要な意味が隠されています。
それは、『レートがどうなるのかは誰にも分からない』ということ。どれほどテクニカル分析を極めようが、ファンダメンタル分析を追求しようが、究極的には未来の値動きなど知りようがないのです。
トレンドには3種類ある
上昇トレンドや下降トレンドは、見る期間によって3種類に分けられます。一般に、
- 3週間未満:短期トレンド(小トレンド)
- 3週間~3ヶ月:中期トレンド(二次トレンド)
- 1年~数年:長期トレンド(主要トレンド)
とされ、短期トレンドは中期トレンドの、中期トレンドは長期トレンドの調整局面(トレンドの中で上昇したり下降したりする)になっています。
バイナリーオプションでは、長期トレンドや中期トレンドを見ることはほとんどないでしょう。しかし、より細分化すれば、短期トレンドの中にも複数の細かいトレンドがあります。
長期的なトレンドを見ながら、短期的にどう値動きしているかを分析するのも、ひとつの分析方法です。そのような、複数の時間軸を見て行う分析方法を、『マルチタイムフレーム分析』といいます。

マルチタイムフレーム分析はバイナリーオプションで必要?それとも意味ない?
主要トレンドは3段階からなる
1つのトレンドは、3つの段階で構成されています。
それぞれ、第1段階を『先行期』、第2段階を『追随期』、第3段階を『利食い期』と呼び、どのタイミングでエントリーするかによって、利益に差が出ます。
先に結論をいってしまうと、バイナリーオプションでは『追随期』にエントリーするのが一番安定しているといえます。
先行期
トレンドの最初期のことで、一部の積極的なトレーダーがポジションを取ります。
このタイミングでのエントリーは、本当にこのあとトレンドが形成されるかはっきりしていないため、取ったポジションとは逆側にレートが動く場合もあります。
FXの場合だと、このタイミングでエントリー出来れば、大きな利益が期待できます。しかし、バイナリーオプションはレートの変動幅で損益が変わるわけではないので、先行期にエントリーするメリットはありません。
追随期
トレンドの中期に当たる追随期には、多くのトレーダーが参入します。
トレンドの方向性が固まったことで、損失になる確率も低下しているため、最も利益を出しやすいタイミングといえるでしょう。
また、トレンドの方向に乗ったトレーダーが増えることで、トレンドの勢いが加速します。
テクニカル分析の指標を複数組み合わせて活用している場合、このタイミングでの参入機会も多くなります。
特に、現在レートに対する追従性がやや低い単純移動平均線におけるクロスは、トレンド発生からやや遅れて現れます。
利食い期
利食い期での参入は、オススメできません。利食い期はトレンドの終盤のことを指し、そう遠くない将来、トレンドの転換が予測されるからです。
このタイミングでは、初心者のトレーダーが参入するタイミングでもありますが、同時に、先行期でエントリーしていたトレーダーが、利益を確定させるタイミングでもあります。
それによりトレンドの勢いが減衰し、追随期にエントリーしたトレーダーも利食いを狙ってポジションを決済し始めます。
その結果、トレンドが転換し、また新たな先行期が始まります。
平均は相互に確認されなければならない
これに関してはバイナリーオプションでは活用する機会はあまりないかも知れません。
元々ダウ理論は、株式取引で用いられていた理論のため、必ずしも全てがバイナリーオプションで活用できるというわけではないのです。
この法則は元々、工業製品の輸送のため鉄道を整備していた時期に、『工業製品の製造が盛んになれば、相対的に鉄道も活発に動く』ことから、関連性のある両者に同じシグナルが見られないなら、明確なトレンドとしては捉えられないとされました。
為替に言い換えると、米ドル日本円のレートにおいて上昇傾向にある場合は、ユーロ米ドルのレートにおいては下降傾向になるといった具合に、ある通貨ペアに関連する通貨ペアは、互いに反応し合うといった感じです。
トレンドは出来高でも確認されなければならない
こちらも、バイナリーオプションではそれほど重要視されません。そもそも出来高(=特定期間の売買数)自体が株式向けのデータのため、為替取引のFXやバイナリーオプションのような『相対取引(=2者の間で完結する取引)』では、その取引量を把握することが不可能だからです。
株式の世界では、市場に参加する全員が取引所に注文を出す『取引所取引』が行われています。
これによって、1つの銘柄に対する取引量が把握出来ています。
トレンドは明確な転換シグナルが発生するまでは継続する
これについては、チャート分析の基本でもあります。
トレンドラインの無効化が発生したと考えれば分かりやすいのではないでしょうか。

トレンドラインの正しい引き方とバイナリーオプションで活用する方法
基本的にトレンドは、例えば上昇トレンドの場合、高値と安値を切り上げながら形成されていきます。この原則が崩れたときこそが、ダウ理論が示す『明確な転換シグナル』と捉えられます。
ダウ理論まとめ
- 為替レートは全ての出来事に反応して動く
- トレンドには『短期』『中期』『長期』の3種類がある
- トレンドは『先行期』『追随期』『利食い期』からなる
- 為替レートは関連し合う通貨ペアでは互いにトレンドが発生する
- トレンドは出来高でも確認されなければならないが、為替レートでの出来高確認はそもそも不可能に近い
- トレンドは転換シグナル発生まで続く
ダウ理論はバイナリーオプションでも活用できる伝統的な理論です。取引を行う際には、意識してみてはいかがでしょうか。