MACDはどんなチャート?バイナリーオプションでのエントリー活用法
UPDATE:2022/05/06
オシレーター系指標の1つに、『MACD』というものがあります。
MACDは『マックディー』と読み、『Moving Average Convergence Divergence』の略称。日本語では、移動平均収束拡散手法とも言います。
……が、正直これだけ言われても、なんのこっちゃという方が大半でしょう。今回は、このMACDの基本的な考え方や、バイナリーオプションでどう活用するかなどをご紹介します。
MACDはどんな指標?
本題に入る前に、1点だけ。
本記事では、MT5にデフォルトで用意されているMACDを元にしています。使用するチャートツールによっては表示が異なる場合があります。
適宜注釈を入れてまいりますが、予めご了承ください。
さて、MACDは『移動平均収束拡散手法』とも言うといいましたが、その名の通り、ローソク足の移動平均線を元にした指標です。

MT5では、上下に伸びる縦線(ヒストグラム)を『MACD線』、横に伸びる線を『シグナル線』となっています。
MT5のデフォルトではこの2本の線だけで構成されていますが、チャートツールによっては、これに加えて『OsMA』が表示される場合もあります。
OsMAが表示されるチャートの場合、MACD線はシグナル線と同様横に伸びる線として表示され、MT5のMACD線と同じ形状でOsMAが形成されることがほとんどです。
一般的にはこの形式(MACD線+シグナル線+OsMA)を利用することが多く、解説系のサイトでもその形式で説明される場合が多数のため、MT5で初めてMACDを見た人に混乱を呼ぶ原因となっています。
では、この『MACD線』『シグナル線』『OsMA』について、それぞれご説明いたします。
MACD線とシグナル線
単にMACDと呼ぶこともありますが、ややこしくなるため本項目では『MACD線』で統一します。
MACD線は、ローソク足チャートの指数平滑移動平均線(EMA)を元に算出される値を結んだ線のことで、計算式は以下のとおりです。
短期EMA - 長期EMA
例えば、短期を12、長期を26とした場合、ローソク足12本分から算出される移動平均線から、ローソク足26本分の移動平均線を引いたものが、MACD線として表示されます。
移動平均線そのものについては下記をご参照ください。

移動平均線はバイナリーオプションでどう見る?グランビルの法則も徹底解説
そして『シグナル線』は、このMACD線の単純移動平均線のことを指します。
算出に用いる期間はこちらで自由に設定することが出来ますが、先のMACD線の短期EMAは『12』、長期EMAは『26』、シグナル線は『9』を設定することが多いです。
余程慣れた人でなければ、この数値をそのまま使う方がほとんどです。
OsMA
繰り返しになりますが、オススメしているチャートツール『MT5』のデフォルトのMACDでは、『OsMA』は表示されません。もしMT5のMACDでOsMAを表示させたいと思ったら、カスタムインジケーターが必要です。
OsMA単体ならば、MT5のオシレーター系インジケーターとして実装されています。
使用する際は、『挿入』→『インディケータ』→『オシレーター』→『Moving Average of Oscillator』を選択してください。
OsMAは『オシレーター移動平均(Moving Average of Oscillator)の略称で、これを算出する計算式は、
MACD線 - シグナル線
となっており、MACD線とシグナル線の間隔を視覚的に知るときに重宝します。
バイナリーオプションでMACDを活用する
では、具体的にこれらの指標を、バイナリーオプションで活用する方法について考えたいと思います。
MACD線とシグナル線のクロス
移動平均線においては、短期の移動平均線と中長期の移動平均線の交差によって、トレンドの発生を予測できました。
MACDにおいても、MACD線とシグナル線のクロスによって、トレンドの発生や転換を予測可能です。

一般に使われるMACDでは、低い位置でMACD線がシグナル線を下から交差した場合がゴールデンクロス、逆がデッドクロスとなっています。
MT5のデフォルトのMACDにおいては、MACD線の頂点がシグナル線に上から接触した点をゴールデンクロス、下から接触した点をデッドクロスとして見ます。
交差ではなく接触なのでご注意ください。
MACD線を表すヒストグラムの頂点を結んで通常のMACDと同じ見方をすると、接点が丁度、2本の線が交差する点になっています。
クロスの見方は移動平均線におけるクロスと同じです。ゴールデンクロス発生の際にはレート上昇、デッドクロスの際にはレート下降のサインとなっています。
MACDが指数平滑移動平均線のため、単純移動平均線よりも為替レートの変動に敏感に反応します。
そのため、クロスが発生しても、ダマシの可能性を常に意識しましょう。
MACD線とローソク足チャートによるダイバージェンス
ダイバージェンスとは、ローソク足チャートともう1つのチャートを比較したときに、双方の値動きにズレが生じる現象。
ローソク足チャートは上昇トレンドを形成しているのに、別のチャートを見るとその部分では下降傾向にある場合などのことを言います。
ダイバージェンスの詳細については『RSI』の項目にて触れていますので、そちらを御覧ください。

RSIは何が見える指標?ダイバージェンスを意識したバイナリーオプションの戦い方
MACD線においても、ダイバージェンスは発生します。トレンドの勢いが弱まり始めると見られる現象ですので、トレンドの終了を見越した逆張りも検討できます。
OsMAから見るエントリーのタイミング
OsMAからでも、エントリーのタイミングを確認できます。
OsMAは、MACD線を基準として、シグナル線がどの程度離れているかを視覚的に表したもの。ですので、OsMAの値はプラスにもマイナスにもなります。そして、2本の線が接触すれば、当然その数値は0になります。
OsMAがマイナスの値から0になればゴールデンクロス、プラスから0になればデッドクロスと考えることができます。
また、シグナルとしてはダマシの可能性が高く、使い勝手はいいとは言えませんが、OsMAが天井、あるいは底を打ったときは、注意が必要です。
天井を打てば、その後OsMAは下降を始め、底を打てば上昇を始めます。そうなれば、それぞれが0に近づいていくことになります。
OsMAの天井や底は、MACDやローソク足チャートの中で、最も早いトレンド転換のサインです。OsMAを用いる際は、少し注意してみましょう。
先述したように、それだけではトレンド転換のサインとはいえません。
あくまで、『このあとトレンド転換のサインが発生する予兆』として捉えるようにしましょう。
MACDまとめ
MACD単体でも、バイナリーオプションでポジションを取るのに十分な指標を得ることができます。
ですが、指数平滑移動平均線の性質上、ダマシの可能性が単純移動平均線などより高いため、MACD以外のチャートも用いて、複数の指標からエントリーポイントを探るようにしましょう。
殊、バイナリーオプションでは、判断するのは短期的に『上がる』か『下がる』かだけですので、長期的に為替レートの動きを見る必要はありません。その分、短期の分析に注力することができます。
MACDのシグナルは非常に分かりやすいので、是非活用してみてください。