RSIは何が見える指標?ダイバージェンスを意識したバイナリーオプションの戦い方
UPDATE:2021/12/06
バイナリーオプションやFXでのテクニカル分析には、レートの流れに沿って取引を行うためのトレンド系指標と、トレンドに逆らってポジションを取るオシレーター系指標の2種類が存在します。
今回の『RSI』は、逆張りのシグナルとなるオシレーター系指標のひとつです。
では、そのシグナルは具体的にどういったものなのでしょうか。
RSIが表すもの
RSIは『Relative Strength Index』の略称で、日本語では『相対力指数』とも呼ばれます。

一定期間の値上がり幅や値下がり幅の平均から、相場の『売られすぎ』や『買われすぎ』を把握するために用いられる指標です。
この『一定期間』は自由に設定可能ですが、多くの場合、『14』とされます。
何故14なのかというと、RSIの考案者であるJ.W.ワイルダー氏が、「RSIの最初の計算には14日間の終値が必要である」としたためです。
14の他には『9』や『28』もよく使われますが、慣れないうちは14で行うのが安定すると思われます。
この『売られすぎ』『買われすぎ』の度合いが分かると何が出来るのかというと、トレンドの終わり≒トレンドの転換点が見つけやすくなります。
売られすぎ/買われすぎを割り出す計算式は?
一定期間=Nの上昇幅の平均を『A』、下落幅の平均を『B』とすると、RSIは以下の計算式により割り出されます。
A
A + B
×
100
これによって算出された値が30を下回ると『売られすぎ』、70を上回ると『買われすぎ』とされます。
……と、これがいわゆる『カトラー式』のRSIの計算方法。ワイルダーが考案したオリジナルを単純化したもので、オリジナルの『ワイルダー式』と比べると反応は緩やかではあるものの、その分反応はやや遅れます。
では、これの原点となった『ワイルダー式』とは、どういった計算式だったのでしょう。
まず1日目(計算式の分を考慮するとN+1日目)のRSI。これは上記のカトラー式と同じ計算式です。オリジナル版のRSIは、2日目以降の計算式が変化します。
2日目以降のRSIは、以下の計算式により求められます。
A’
A’ + B’
×
100
ここで示した『A’』と『B’』はそれぞれ、
- A’ = (前日RSI × (N – 1) + 当日の値上がり幅) / N
- B’ = (前日RSI × (N – 1) + 当日の値下がり幅) / N
ちなみに、MT4やMT5といったチャートツールに搭載されているものは、ほとんどの場合こちらのオリジナル版RSIが採用されています。
カトラー式とワイルダー式の違いは、どの移動平均線を基準とするかでも考えられます。
カトラー式の場合は『単純移動平均線』を使用した計算結果で、ワイルダー式は『指数平滑移動平均線』で計算しています。
よって、ワイルダー式のほうが価格の変化に機敏に反応する反面ダマシの発生確率も上がっており、カトラー式はダマシの確率は減っているものの、変動に少し遅れてRSIが反応します。
各移動平均線に関しては、下記をご参照ください。

移動平均線はバイナリーオプションでどう見る?グランビルの法則も徹底解説
RSIのバイナリーオプションでの活用法
RSIがオシレーター系の指標ということは、バイナリーオプションでは30を下回ったらレートが上がるほうに、70を上回ったら下がるほうにポジションを取ればいいのかというと、それは少し違います。
確かに、RSIがそれぞれのラインに到達したとき、その後トレンドが転換することはよく起こります。しかし、それは同時に、『トレンドの勢いがそれだけ強い』ということも示唆しているのです。
実際、RSIが30を割り込んでいるのに、そのままレートが下がり続けるといったことはよくありますし、逆もまた然り。トレンドの転換をRSIだけで読み切るのは、難しいと言わざるを得ません。
では、バイナリーオプションでRSIをどう活用するのか。その活用法が、『ダイバージェンス』を見ることです。
ダイバージェンスからトレンド転換を読み取る
ダイバージェンスとは『分岐』や『相違』という意味で、バイナリーオプションやFXにおいては、『為替レートの動きとRSIなどのオシレーター系指標が逆行する現象』のことを指しています。
どういうことかというと、為替レートは上昇(下降)傾向にあるのに、RSIは下降(上昇)傾向にあるということ。

ダイバージェンスは、図の場合だと、下降の勢いが衰えたことで、上記の計算式の値が上昇することにより、発生します。
勢いが衰えたということは、トレンド転換が近いサインでもあります。
……とはいいましたが、図のチャートでは、その後レートは若干上昇したものの、その後しばらくレンジ相場を形成しました。
このように、RSIにもダマシがありますので、トレンドの方向や転換点が見えやすい移動平均線やトレンドラインなど、トレンド系の指標と合わせてご活用ください。
RSIまとめ
- RSIは『売られすぎ』『買われすぎ』を知るオシレーター系指標
- RSIの数字だけでなくダイバージェンスの発生にも目を向けよう
- 実際に活用するときはトレンド系指標などとの組み合わせが有効
RSI単体では、なかなかバイナリーオプションで利益を出すのは難しいかも知れません。ただ、他の指標と組み合わせることで、RSIの有用性は高まりますので、自分にあった組み合わせを見つけ出して、活用してみてください。