ゼン・トレーダーは信頼できる業者?出金拒否や口座凍結の悪評の真相は?

UPDATE:2022/12/21

 数ある海外バイナリーオプション業者の中でも比較的後発なのが、今回ご紹介する『ゼン・トレーダー』です。

 2018年から新規参入した業者で、開始当初からハイロードットコムとの類似性が指摘されるなど問題点はありましたが、2022年5月現在まで運営が続いています。

 実際にかつてのハイロードットコムとゼン・トレーダーが似ていたかどうかというと、正直なところそこまで類似しているとは思えませんでした。また、取引画面においても同様の指摘がされていましたが、こちらについてもそれほど共通点はないように思えます。

 少なくとも、Bi-Winningとハイロードットコムのそれと比べたら、ハッキリ別サイトと言い切れるくらいには違います。

 そこそこ長い間運営が続いているから、ゼン・トレーダーはきっと信頼できる業者のように思えますが、一方で数万円程度の利益で凍結されたり、出金拒否に遭ったという悪評もあり、安心して利用できるのかどうか、若干の疑問が残ります。

 果たして、ゼン・トレーダーは使用して問題ないバイナリーオプション業者なのでしょうか? それとも、使うべきではない詐欺業者なのでしょうか?

ゼン・トレーダーの概要

ゼン・トレーダー
Zentrader
社名 ZT Markets Limited, SVG IBC
所在地 セントビンセントおよびグレナディーン諸島
設立
最小取引額 500円
最低出金額 5,000円

 ゼン・トレーダーの運営開始は2018年というところは判明していますが、その正確な日付や、運営元の設立年月日は公式サイトでは確認できませんでした。

 セントビンセントおよびグレナディーン諸島といえば、『ハイロードットコム』運営元の現所在地でもあり、ゼン・トレーダーはそちらの金融庁から認証を受けた金融業者です(登録番号:25071IBC2018)。

公式サイトから読み取れる範囲での安全性はどの程度か

 ゼン・トレーダー公式サイト上では、先述の『セントビンセントおよびグレナディーン諸島の金融庁認証』という点以外にも、個人情報の管理についても言及されています。

ゼン・トレーダーは金融市場のベテランが、長年の経験により培ったノウハウを総動員し運営しています。お客様よりいただいた個人情報に関して最新の注意で管理していることはもちろんのこと、業界のデーター管理やプライバシー規則も厳守しています。

ゼントレーダー公式

 ただ、肝心の『資産の管理方法』については、調べた限りでは言及されておらず、分別管理、信託保全はされているのか不明です。

 海外バイナリーオプションの主要業者である『ハイロードットコム』、『ファイブスターズマーケッツ』、『ザオプション』の3社、それに『Bi-Winning』では、分別管理を行っていると明言されています。

入出金関係は?

 ゼン・トレーダーにも豊富な入出金方法が用意されてますが、それら全てに共通して、入金か出金かを問わず、手数料が一切かかりません。

 まず入金方法として選択できるのは、クレジットカードターボ入金CURFEXビットコインビットウォレットの5種類です。ターボ入金とCURFEXは聞き覚えがないかも知れませんが、掻い摘んで説明すればどちらも銀行振込のこと。詳細は後ほど。最低入金額はいずれも5,000円で、1回の入金に対し、最大で500万円まで入金可能です。

 出金に関しては、後述の出金拒否疑惑はさておくとして、銀行振込ビットコインビットウォレットに対応しています。

 銀行振込は月曜から金曜の12時までの要請は翌営業日に着金、ビットコインは1日に1回、出金処理を行った時点でのレートで、ビットコインウォレットに送金されます。

ターボ入金とは

 ゼン・トレーダーにおける一般的な銀行振込は、こちらのターボ入金を指します。

 振込先はPayPay銀行もしくはみずほ銀行のいずれかを選択可能で、営業時間内であれば5分から15分程度で口座に反映されます。

CURFEXとは

 国際送金サービスである『CURFEX』を用いた国内送金にも、ゼン・トレーダーは対応しています。

 海外バイナリーオプションの常として、ゼン・トレーダーも金融庁の認可を受けてはいません。しかしCURFEXは、金融庁に資金移動業者として正式に登録されています。

 新規にCURFEX JAPANで口座を開設する必要がある上、平日のみの対応のためあえて使う必要はありませんが、すでに口座を所有している場合や、他にもCURFEXに対応した海外業者を利用する場合には、手数料が非常に安価のためオススメの入金方法です。

 ゼン・トレーダーへの入金に関しては手数料はかかりません。

ゼン・トレーダーにおけるバイナリーオプション取引の特徴

ゼン・トレーダーのデモ取引画面

 こちらは、PCで開いたゼン・トレーダーのデモ取引画面です。

 ファイブスターズマーケッツやBi-Winning、ザオプションのようにチャートをローソク足に切り替えたり、チャート上にインジケーターを表示させる機能がないシンプルなもので、傾向としてはハイロードットコムと似ています。

 操作や画面の情報については、

  • ①:口座残高
  • ②:ポジション購入額と決済までの時間を選択
  • ③:エントリーの方向
  • ④:ペイアウト率と決済までの残り時間
  • ⑤:経済関連のニュース

 となっています。上記画像には記載がなく申し訳ありませんが、左側、チャートの上で、取引する金融商品の選択が可能です。

 購入したポジションは、レートの下部に一覧で表示されます。為替とコモディティなら決済の2分前、株価指数と暗号通貨は5分前までなら、そこから転売も可能となっています。

 なので、30秒取引と1分取引は全ての金融商品で、株価指数と暗号通貨に関しては15分取引以上でないと転売はできません。

 なお、ゼン・トレーダーには、後述の『クラシック取引』『オンデマンド取引』という2種類の取引方法がありますが、これは取引画面には表示されません。

 さて、ゼン・トレーダーのバイナリーオプション取引の特徴ですが、実際のところ目立つ点はほぼありません。後述しますが、一部取引時間でAppleやGoogleの株価を用いて取引できる点を除けば、他のバイナリーオプション業者と大きな違いは見受けられません。

 よくいえば基本に忠実、悪くいえば無個性といったところでしょうか。

クラシック取引

 ゼン・トレーダーのクラシック取引は、取引画面の②で『15分/30分/60分/2時間/4時間』を選んだ場合の取引です。他、1日を選択可能なものもあります。

 決済の時刻が予め決められており、ペイアウト率はおおよそ160~190%となっています。

 ハイロードットコムでいうところの『ハイロー取引』に該当します。

 選べる金融商品と、それぞれ選択可能な取引は下記のとおりです。

15分 30分 1時間 2時間 4時間
USD/JPY
EUR/USD
EUR/JPY
GBP/JPY
AUD/JPY
AUD/USD
AUD/NZD
CAD/JPY
CHF/JPY
EUR/AUD
EUR/GBP
GBP/AUD
GBP/USD
NZD/JPY
NZD/USD
USD/CAD
USD/CHF
GOLD
USOIL
NIKKEI225 × ×
DOW JONES ×
NASDAQ ×
SP500 ×
APPLE ×
AMAZON ×
GOOGLE ×
TESLA ×
BTC/USD
BTC/JPY
BTC/EUR
ETH/USD
LTC/USD
XRP/USD
NEO/USD
DOT/USD

 通貨ペアは勿論のこと、株価指数、Amazonなどの個別株の一部、暗号通貨でも取引が可能です。

オンデマンド取引

 一方オンデマンド取引は、『30秒/1分/3分/5分』を選択した際の取引です。

 クラシック取引とは異なり、こちらは建玉を持った時点でカウントが始まります。こちらも金融商品によりますが、180~195%のペイアウトが期待できます。

 オンデマンド取引で取り扱いがある金融商品は以下のとおりです。

30秒 1分 3分 5分
USD/JPY
AUD/JPY
AUD/USD
EUR/JPY
EUR/USD
GBP/JPY
NZD/JPY
BTC/USD × × ×
BTC/JPY × × ×
BTC/EUR × × ×
ETH/USD × × ×
LTC/USD × × ×
XRP/USD × × ×
NEO/USD × × ×
DOT/USD × × ×

 クラシック取引と比べ選択肢は少なくなっていますが、こちらでも暗号通貨を絡めた通貨ペアが取引可能となっています。

ゼン・トレーダーを使うメリット/デメリット

 続きまして、ゼン・トレーダーを使う上でのメリットとデメリットを見ていきたいと思います。

メリット

 まずはメリットから。先だって、ゼン・トレーダーには特徴らしい特徴がないとはいいましたが、それはメリットがないという意味ではありません。

土日でも取引が可能

 暗号通貨があることでピンときた方もいらっしゃるかも知れませんが、ゼン・トレーダーでは、土日は勿論、年末年始といった、通常なら市場が閉まっているため取引できない日でも、暗号通貨のバイナリーオプションが可能です。

土日祝日は、外国為替市場、株式、商品市場が休場のため、基本的に取引することができませんが、弊社では、仮想通貨(BTC / USD、ETH / USD、LTC / USD)取引が24時間・週7日可能です。

ゼントレーダー公式

 現状、土日も取引可能な業者は、他にはファイブスターズマーケッツBi-Winningの2社が確認されています。暗号通貨自体はハイロードットコムでも取り扱いがあるため、もしかすると今後、ハイロードットコムでも土日取引が可能となるかも知れませんが、2022年5月現在では、土日取引は3社の中から選ぶ必要があります。

 ただし、ゼン・トレーダーの暗号通貨取引は、ペイアウト率がそこまで高くないため、もし現時点で先述2社のいずれかを利用しているなら、あえて乗り換える必要はないと思われます。

トレード画面が軽い

 トレード画面が非常にシンプルなため、ゼン・トレーダーの取引画面の軽量さは群を抜いているといえます。軽量さではハイロードットコムも非常に軽いのですが、リニューアル後の動作に関して『重くなった』という意見も見られます。他に取引画面が軽いバイナリーオプション業者としてはザオプションもあり、こちらは、ゼン・トレーダーと遜色ない機敏な操作が可能です。

豊富なキャッシュバック

 ゼン・トレーダーにも、他のバイナリーオプション業者と同様に多彩なキャッシュバックが用意されています。

 まずは新規口座開設で5,000円のキャッシュバック。これは、口座開設後、20回以上の取引を達成した時点で自動的に口座に反映されるキャンペーンです。

 その他、取引量に応じた優遇プログラム『Zentraderリワード』もあります。月間取引量毎にステージがあり、そのステージ決定の翌月中に入金を行うと、ステージ毎の上限以内なら、入金額がそのままキャッシュバックされます。

 各ステージの達成条件と最大キャッシュバックは以下のとおりです。

条件取引量 最大キャッシュバック
ブロンズ 100万~250万円 5,000円
シルバー ~500万円 1万円
ゴールド ~750万円 25,000円
ダイヤモンド 750万円~ 5万円以上

 これらのキャンペーンによるキャッシュバックは、直接出金することはできず、取引時に口座残高から優先して使用されます。例えば、5,000円のキャッシュバックがある場合、取引総額が5,000円に達するまではキャッシュバックから取引資金が使用され、口座の実資金は減少しません。利益が発生すれば、キャッシュバック分も含めた額が口座の実資金として反映されます。

デメリット

 では逆に、デメリットについてはどうでしょうか。

アット・ザ・マネーで掛け金没収

 決済時にエントリーと同額となるアット・ザ・マネー時には、ゼン・トレーダーでは負け扱いとなってポジションの購入額は没収されます。

 この点はハイロードットコムなどでも同様ではありますが、アット・ザ・マネーは場合によってはよく起きることなので、気をつける必要があります。

デモ取引に手軽さがない

 ゼン・トレーダーのデモ取引は、参加するために少々手間がかかります。

 他のバイナリーオプション業者でデモ取引を採用しているところでは、取り立てて特別な操作は必要なくデモトレードに参加できます。しかしゼン・トレーダーの場合、名前とメールアドレスを入力し、届いたメールからデモ口座にアクセスする必要があります。

ゼントレーダーのデモ口座開設完了メール

 一度開設してしまえば継続して利用可能ではありますが、残高のリセット時には連絡が必要など、手軽さについてはやや劣るといわざるを得ません。

画面がシンプルすぎて分析に向かない

 ゼン・トレーダーの取引画面は軽量なのが売りですが、それは裏を返せば、詳細なレート分析は不可能だということでもあります。

 これに関しては、テクニカル分析を実施する場合、ハイロードットコムと同様、別途チャートツールを用意する必要があります。

 では、ゼン・トレーダーのチャート配信元はどこなのかというと、ザオプションと同じくFXCMが採用されています。そのため、FXCM社が配布するMT4が有用です。

 ただし、サーバーの強度などの問題で、同じタイミングでザオプションと比較した場合でも、ゼン・トレーダーのレートにはズレが生じています。この点はしっかりと加味して、分析を行うようにしましょう。

 ゼン・トレーダーには、AndroidとWindows、Mac向けにトレードツールが用意されていますが、そちらでインジケーターを表示できるわけではありませんので、ブラウザから取引するのと大差ありません。

ゼン・トレーダーでの出金拒否騒動や凍結騒ぎは本当か

 さて、ここまではゼン・トレーダーの基本的な話や利用する利点などに触れてまいりましたが、いよいよ、ゼン・トレーダーは少額の利益でも出金を拒否する悪質な業者なのかという問題について、探ってみたいと思います。

 ことの発端は、2020年3月に公開された某サイトの記事。そのサイトでの流れを掻い摘んで説明しますと、

  • そのサイトからゼン・トレーダーに登録したと思しきユーザーから、『ゼン・トレーダーから出金を拒否された』という連絡が管理人に届く
  • そのユーザーはその後無事出金されたようだが、部分凍結(1ポジションにつき上限500円、1商品に付き取引数1回)される
  • その後、また別のユーザーから、利益5万円が出金されないという連絡が入る
  • 2週間かかってようやく出金される
  • また別のユーザーから、今度は約2万円が出金拒否されたと連絡が入る
  • そのユーザーは入金分のみ返金され、口座が強制解約された

 といった具合でした。

 これについて、1つずつ紐解いてみましょう。

1人目は普通に規約違反

 1人目の部分凍結に遭遇した人物については、実はご自身で『連打なんて5~10回しかやってない』と言ってしまっています。

 ゼン・トレーダーの利用規約には、不正行為として『取引量に急激な変化もしくは大きな変化が認められるスキャルピングもしくはトレーディングパターンなど、通常ではないと考えられる取引』を挙げています。

 回数がどうのではなく、スキャルピング≒連打法を用いた時点でそもそも規約違反に当たるため、凍結されても文句をいえる立場にはありません。

2人目、3人目は……

 残る2人についても、実情ははっきりとはしていませんが、少なくともゼン・トレーダーが、『不正な取引をしている』と判断、もしくはそう疑ったがための状況であるようです。実際、2人ともゼン・トレーダーからその旨の連絡を受け取っている様子。

 2人目は疑惑が解消されたため出金されたようで、3人目については黒と判断されて強制解約。要するにそういう状況です。

 確かに、2人目は5万円、3人目は2万円強と、小さい額面ではありますが、何かしら疑念があれば出金が一時的に停止する、あるいは拒否されるというのは当たり前の話です。まあ、腹を立てる気持ちは分かりますが……

 なお、これらの件について、件のサイトの管理人は、『不正行為がどんなものなのか一切説明がない』としてゼン・トレーダー側に説明を求めたようですが、結果は覆らなかったようです。

 この件については、むしろそれが止めになったのではないのかとすら思えます。

 ゼン・トレーダーの利用規約には、第三者からのアドバイスに基づいた取引も不正行為として明記されており、関係のない第三者がしゃしゃり出てきた時点で、余計に黒と確定された可能性が考えられます。

 何故、口座が凍結したユーザー本人が問い合わせを行わなかったのか、甚だ疑問です。

そもそも

 口座凍結が行われた際に、詳細な理由の説明がないのはゼン・トレーダーに限った話ではありません。どこのバイナリーオプション業者であっても似たりよったりです。これについて、説明する責任はあるのでしょうか?

 あくまで個人的には、ですが、契約者から詳細説明の問い合わせがあれば、基本的に答えるべきだと考えます。とはいえそのあたりは、結局のところ国内外問わず業者側の裁量でしょうから、どうしても納得ができない場合は公的機関に申し立てするくらいしか術はないでしょう。

 こういったときに、国内業者なら、状況次第で財務局や消費生活センターなどのサポートが受けられることがありますが、海外業者だとそうもいきません。海外業者を利用するということは、そういったリスクを負うことでもあるという点は、しっかり認識する必要があります。

国内と海外でバイナリーオプションはこれだけ違う!

国内と海外でバイナリーオプションはこれだけ違う!

結局悪質業者なの? 違うの?

 ここまでを踏まえて、結局ゼン・トレーダーは悪質業者なのかどうかというと、単純にこれだけで悪質業者とするには無理があります。

 ほんの僅かな利益であっても、不正行為を疑われるようなことを、故意にせよ偶然にせよ行ってしまったのなら、口座が凍結されても仕方がありません。先述の後者2名がどのような取引を行っていたのかが分からないため実情は不明ですが、少なくとも片方は、調査の結果疑いが晴れて出金できているわけですから、ゼン・トレーダー側が無闇に口座凍結を連発しているというわけでもなさそうです。

 ……とはいえ。実は他にも、SNS上で『ゼン・トレーダーで出金できない』という声はチラホラと聞かれます。

 それ以外にも、着金までが遅いという意見も見られることから、常用するには少々ためらいが生じる業者と考えられます。

 何かしら疑いのある業者は無理に利用しようとせずに、他のバイナリーオプション業者の利用をオススメいたします。

まとめ

  • ゼン・トレーダーは比較的新参の業者
  • これといって大きな特徴はないが、土日や年末年始でも取引可能
  • 出金できない、着金まで遅いという意見がちらほら見られる

 ゼン・トレーダーに関して、現状は口座を作るのはあまりオススメできない業者のようです。勿論、規約違反による出金拒否や口座凍結は他の業者でも同様に行われていることではありますが、ゼン・トレーダーの場合、多くが数万円の利益で凍結や拒否が発生したという点で共通しており、強い不安要素となっています。

 出金できた事例については、これもいずれの業者においても同様ですが、正常に出金できることが前提である以上、いちいち『出金できました』というようなことではないため、確認できません。よって、否定的な意見が大きく見えてしまうのはある程度仕方のないことではあります。しかし、それでもやはり、運営歴も踏まえて信頼性はやや低いという判断になってしまいました。

 今後また状況が変わるかも知れませんが、今のところは、ハイロードットコムや、

 ザオプションなど、

 他の、信頼性の高いバイナリーオプション業者を利用しましょう。

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