バイナリーオプションのレートはBID?ASK?いいえどちらも違います

UPDATE:2022/05/26

 FXをやっている方なら、『BID』『ASK』は非常に馴染み深い、というか絶対に無視できない数値です。

 FXにおけるBIDとはレートの売値のことで、ASKは買値を指します。この両者にはわずかばかりのズレがあり、その幅のことを『スプレッド』と呼びます。

バイナリーオプションのスプレッドやスプレッド取引について

バイナリーオプションのスプレッドやスプレッド取引について

 スプレッドの幅が小さいということは、それだけ売値と買値が近い値を示すということでもあり、狭いほどトレーダーにとって有利です。そのため、この狭さを売りにするFX業者も少なくありません。

 スプレッドは常に一定というわけではなく、ボラティリティの増大などによって広がることはままあります。原則固定としている業者であっても、レートの急変時などにはスプレッドも拡大します。

 では、バイナリーオプションで表示されているレートは、BIDでしょうか、それともASKでしょうか。

バイナリーオプションのレートは……

 結論としては、バイナリーオプションで利用されるレートは、BIDとASKの中間値である『MID』である場合が大半です。ハイロードットコムも、LMAXをレート配信元としていますが、配信されているレートの数値はMIDを参照しています。

MT4/MT5のレートはどれ?

 さて、レートの分析といえばMT4、そしてMT5です。MT4は前世代のチャートツールですが現在でも利用者が多く、レートを配信する業者の多くも利用を続けています。

 MT5はMT4の次世代版で、MT4と比較してややPCのスペックを要求するものの、軽快な動作とMT4から引き継がれた拡張性が売りです。ただし、MT5を利用できるFX業者はまだそれほど多くはないため、利用される場面は実際にはそれほど多くはありません。

 これらでは、デフォルトではBIDを参照してローソク足などを表示しています。

MT4やMT5でMID値を出す方法

 バイナリーオプションは0.1pipsを争う取引のため、できることならBIDではなくMIDを参照したいところです。

 先述の通り、MIDはBIDとASKの中間値ですが、スプレッドはボラティリティの増大などの影響を受けて拡大することがあるため、BIDだけで正確なMIDを割り出すのは不可能です。

 しかしながら、MT4にせよMT5にせよ、MIDのみならず、ローソク足をASK基準に切り替えることはできません。では、どうすればいいでしょうか。

方法1:取引パネルから計算する

 方法の1つとしては、注文パネルを表示させて、そこの数値からMIDを割り出す方法です。

MT4の注文パネル

 こちらはMT4のチャート画面です。チャートの左上にあるものが注文パネルです。左側がSELL、つまり売値、右側がBUY、買値です。

 注文パネルが表示されていない場合、チャートの左上にある『▲』の部分を押してください。

 MT5の場合、注文パネルを縮小したようなアイコンがチャート左上にありますので、そちらを押してください。

 この場合、SELLが126.584円、BUYが126.598円のため、MIDは126.591円です。

方法2:ASKのラインを表示する

 もう1つ、ASKのラインをチャート上に表示して視覚的に認識する方法もあります。

チャートのプロパティ表示

 上部メニューバーの『チャート→プロパティ』、もしくはキーボードの『F8』でチャートのプロパティを開き、『全般』タブにある『Askのラインを表示』にチェックを入れます。

 すると、

チャート上にAskのラインを表示

 このように、デフォルトのBIDのラインとは別に現在のASKのラインも表示できます。数値を参照して算出するよりは、いくらか視覚的にMIDが確認可能となりました。

 MT5では、プロパティ展開後、表示タブで『買いラインを表示』にチェックを入れてください。

なぜMIDを表示できないのか

 MT4のデフォルト機能では、上記以外にMIDを割り出す方法はありません。自作のプログラムを組んでMID価格を表示する方法もありますが、ローソク足チャートが参照する値をMIDに変更するのは、仮に可能だとしても一朝一夕では難しそうです。

 国内のFX業者が配信しているチャートツールの中には、ASKとBIDを切り替えられるものもありますが、MIDを使用できるものはほとんど見当たりませんでした。

 MID価格は、FXでは見ることはなく、使用されるのはバイナリーオプションくらいのものです。各チャートツールは原則FX用に作られているため、MIDが表示されないのは当たり前のことといえるでしょう。

 そのため、ハイロードットコムのテクニカル分析のためにMT4を利用する際には、表示されるBIDのローソク足チャートとASKとのスプレッドから、MID価格を考慮しなければなりません。

 そのため、MT4を最大活用する際には、スプレッドが広がりづらい=ボラティリティが比較的小さいタイミングでの取引が望ましいと考えられます。

バイナリーオプションでもボラティリティの高低は重要か?

バイナリーオプションでもボラティリティの高低は重要か?

まとめ

  • バイナリーオプションで参照されるのはMID価格
  • MT4やMT5ではBID価格を参照してローソク足チャートを表示する
  • MID価格を直接表示する方法はないか、あっても簡単にはできない

 もしかすると、ハイロードットコムでの取引のためMT4やMT5を利用していて、それでもレートのズレがあるので妙に思った方もいらっしゃるかもしれません。その答えは、ハイロードットコムではMID価格を、MT4ではBID価格を参照しているためです。

 本来であればMID価格でテクニカル分析を行いたいと思われるでしょうが、現状その希望を叶える方法は見当たりません。そのため、BIDとASKの乖離が小さくなる=BID価格とMID価格が近くなるタイミング、すなわちボラティリティが大きくならない時間帯でのバイナリーオプション取引を心がけましょう。

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