ハイローオーストラリア(ハイロードットコム)はオワコン?そう言われる原因と真相

UPDATE:2023/06/05

 オワコンと言われているときには、実際にはまだオワコンではないというのが割りと常なんですが、果たして。

 海外バイナリーオプションの中で言わずと知れた人気を誇るハイローオーストラリア(ハイロードットコム)ですが、定期的に、というかほとんど常時『オワコンだ』という話が上がります。記憶に新しいのは、2019年から2020年頃における『ハイローオーストラリア終了』という噂。これは、オーストラリア国内におけるバイナリーオプションの立ち位置が厳しいものになり、運営元であるハイローマーケッツがライセンスを取り消されて拠点とサイトを移転したことが原因と考えられています。実際には、当時ハイローオーストラリアと呼ばれていた『ハイロー』は確かに一度終了してしまいましたが、御存知の通り現在では、『ハイロードットコム』として運営が続いています。

 より遡れば、日本国内のバイナリーオプション規制強化に端を発するものであると思われます。

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 現実としてこの規制により、国内における金融庁認可のバイナリーオプションは、証券会社にとっても利用者にとっても旨味がなくなり、こちらは文字通りのオワコンと化しています。

 果たして、ハイローオーストラリア(ハイロードットコム)はオワコン化に向かっているのか、それとも違うのか。検証してみました。

ハイロードットコムがオワコンと言われる原因

 ハイローオーストラリア(ハイロードットコム)がオワコンという話はしょっちゅう耳にします。今回、代表的な2つの例を取り上げ、何故オワコンと言われるのか、そして、実際にハイローオーストラリア(ハイロードットコム)はオワコンなのかについて、見ていきたいと思います。

実例1:拠点とサイトの移転

 先述のとおり、ハイローオーストラリア(ハイロードットコム)の前身となる『ハイロー(ハイローマーケッツ)』は、元々はオーストラリアに拠点を持つバイナリーオプション業者でした。このことからハイローは通称をハイローオーストラリアと呼ばれていたわけですが、2019年8月、オーストラリア証券投資委員会がある声明を発表しました。

 曰く、バイナリーオプションは経済的価値がないばかりか、ギャンブル性が非常に高く、消費者に重大な損害をもたらすものである。この理由により、オーストラリアでのバイナリーオプションは禁止の検討が行われ、実際に2021年5月には、禁止令が発行しています。

 結果、当時の運営は金融ライセンスを取り消され、オーストラリア国内から撤退。その後セントビンセントおよびグレナディーン諸島で『HLMI LLC』が新たな運営としてハイローを引き継ぎ、ハイロードットコムに改称して運営を続けています。

 また、当時のハイローのサイトアドレスは『highlow.net』でしたが、この拠点移転に伴いアドレスも変更。『trade.highlow.com(現在はhighlow.com)』となったことも、ハイローオーストラリア(ハイロードットコム)終了の噂が流れる原因となりました。

 2022年6月現在、当該アドレスにアクセスすると、ASICの決定として、バイナリーオプション取引を停止したことアカウントの資金はASICに移動していること未請求の資金はASICに問い合わせてほしい旨が英語で掲載されています。

highlow.netの現在

 移転当初は、ハイローからハイロードットコムへの資金移動の手続きが行えたようですが、現在はすでに不可能となっています。

実例2:利用者の減少

 移転の件も一因として考えられますが、ハイローオーストラリア(ハイロードットコム)の利用者は減少傾向にあり、後発のザオプションやBi-Winningに利用者が流れているという話もあります。

 これについては確たる証拠はありませんが、最盛期と比較して大手掲示板やSNSでの賑わいが見られないことから鑑みて、ある程度事実と捉えて問題ないでしょう。

 何故このようなユーザー流出の自体に陥っているのか。それは、ハイローオーストラリア(ハイロードットコム)が、ユーザーにとって不利となるルール改定を繰り返したためと考えられます。その中でも、特に影響が大きかったであろう要因を2つ取り上げます。

 1つは、同値決済時の処理。もともとハイローオーストラリア(ハイロードットコム)では、エントリー時と決済時が同値であるアット・ザ・マネーでは、掛金は返金されていました。しかし現在では、ご承知のとおりアット・ザ・マネーで掛金没収となり、これを嫌ったユーザーが、同値で返金対応を取るバイナリーオプション業者に流れた可能性があります。

 そしてもう1つは、人気のある取引の撤廃。これは、15分取引におけるゴールドや、AUD/NZDの廃止が挙げられます。

 元々この2つの取引は、15分取引において非常に勝ちやすい金融商品とされており、それをなくしたことで、それらを目的としていたユーザーが離れたと推察されます。

 ハイローオーストラリア(ハイロードットコム)におけるゴールド取引に関しては、現在は1日取引でなら取り扱いがあります。

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今後ハイロードットコムは本当にオワコン化する?

 とはいうものの、現時点においても、ハイローオーストラリア(ハイロードットコム)の利用者はまだまだ多く、活発な取引が行われているであろうことは想像に難くありません。

 しかしながら、その状況がいつまでも続くというわけでもありません。

新規業者の台頭

 ハイロー時代にも、競合となるバイナリーオプション業者は数多くありました。しかしその大半が詐欺まがい、あるいは本当に詐欺業者だったりと、まともにバイナリーオプション取引が可能だったのはハイローと、あとはファイブスターズマーケッツくらいのものでした。

 しかし現在では、先述のザオプションBi-Winningといった業者が現れ、ハイローオーストラリア(ハイロードットコム)の牙城を崩そうとしています。

 Bi-Winningについては若干未知数ではあるものの、ザオプションの勢いはめざましく、2022年6月には、それまで徴収していた出金手数料を撤廃、ペイアウト率も増加と、かなり直接的にハイローオーストラリア(ハイロードットコム)のお株を奪おうとしてきています。

 ファイブスターズマーケッツにしても、低いと言われ続けていたペイアウト率の改善を図り、ユーザー獲得に積極的です。更に、多機能な取引画面、一攫千金も狙えるトーナメント制度があるブビンガの参入もありました。

 ハイローオーストラリア(ハイロードットコム)はどうかというと、元々口座開設キャッシュバックやジャックポット、養分キャッシュバックなどは豊富ではあるものの、その他の部分についてはユーザーに有利となる変更点はあまり見られません。

 老舗だからこそのシンプルさと取り組みやすさ、といえば聞こえはいいですが、ユーザー流出が続けば、ハイローオーストラリア(ハイロードットコム)にとっていいわけがありません。この点はハイローオーストラリア(ハイロードットコム)に何かしらの改善を願いたいところです。

 とはいえ、長年ほとんど大きな変更を行わずに運営を続けている点を考えると、多少ユーザーが減ってもまだまだ最大手の立場はゆるぎがないのかも知れません。

バイナリーオプションそのものの現状

 バイナリーオプションという取引形態そのものの動向にも、注視したいところです。

 バイナリーオプションは現在、主要国の中ではアメリカと日本のみが、制限付きとはいえ取引可能です。他の各国については明確に禁止であると打ち出しています。

 2022年6月時点において、日本におけるバイナリーオプション規制強化の気配は見えないものの、ユーザー=日本人の国内資産の海外流出を政府が厭えば、何らかの形で介入が行われる可能性は否定できません。現に、アメリカでは、自国内での取引においてのみバイナリーオプションを許可するとしています。

 現時点では、ユーザーが自己判断によって海外業者を利用するのは違法ではありませんが、アメリカと同様の規制が入ったときには、それこそ、少なくとも日本国内においては、ハイローオーストラリア(ハイロードットコム)は、いや、バイナリーオプションは完全に終了といえるでしょう。

まとめ

  • ハイロードットコムのオワコンの噂はしょっちゅう出る
  • 利用者減少などの課題は確かにあるが、まだまだ現役
  • しかし今後の先行きは不透明

 冒頭で触れましたが、オワコンと言われている間はまだオワコンではない証拠とも考えられます。本当にハイローオーストラリア(ハイロードットコム)がオワコンなら、そもそも話題にすらならなくなるからです。

 掲示板にせよSNSにせよ、かつてと比べれば賑わいがないというだけで、活況とはいえずとも一定以上の利用者がいます。

 ただ、今後についてはなんとも言えないところがありますので、もしハイローオーストラリア(ハイロードットコム)を始めるなら、早いうちがいいかと思われます。

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