バイナリーオプションはギャンブル?投資?投機?

UPDATE:2021/11/11

 バイナリーオプションの取引方法は至って単純。すなわち、為替レートが上がるか下がるかを予測するだけ。

 この手軽さと、しっかり取り組めば相応の利益が得られることから、資産運用の入門には最適です。

 ですが……それ故に『バイナリーオプションはギャンブル』と言われることも多々あります。

 果たして、バイナリーオプションは本当にギャンブルなのでしょうか?

 ――いいえ、違います。バイナリーオプションをギャンブルだと言っている人は、そういう取引しかしてこなかったか、そもそもバイナリーオプションをよく知らないだけです。

何故バイナリーオプションはギャンブルと言われるのか

 トランプのハイ&ローやバカラ、サイコロの丁半など、二者択一の賭博は様々あります。

 中でもハイ&ローは、よくバイナリーオプションを説明するために例えとして用いられます。実際に海外バイナリーオプションでの取引はハイロー型と呼ばれていますし、当サイトでも、以下の記事で説明の簡略化のために使用しました。

バイナリーオプションとは?リスクやデメリットは?FXとは違うの?

バイナリーオプションとは?リスクやデメリットは?FXとは違うの?

 この表現は非常に分かりやすい反面、バイナリーオプションがギャンブルであるという誤解を生む一因にもなっているといえます。

 ですが、こういうとどうでしょう。

 金塊を10万円で購入し、金の価格が上がったので15万円で売った。

 これは果たしてギャンブルでしょうか?

 これも、バイナリーオプションとやっていることは同じです。対象が為替レートから金に変わっただけで、購入した金塊がその後値上がりするかどうかは確定していません。ですが、これをギャンブルと呼ぶ人はあまりいないのではないでしょうか。

そもそも投資・投機・ギャンブルとは

 バイナリーオプションがギャンブルか否かという本題の前に、避けては通れない話があります。

 それは、投資投機ギャンブルの具体的な違いは、どこにあるのかということ。

 具体例を上げつつ、それぞれの特徴と違いを見ていきたいと思います。

投資とは

 まず、投資について触れていきましょう。

 投資とは、将来価値が上がることを期待して現在の資産を投入すること。広義では、工場などに新しい設備を導入して生産能力の向上を図るのも、投資の一種です。

 資産運用、金融の面においては、株式が最もメジャーな投資でしょうか。

A社の株式を買おう!

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設備のおかげで利益が出た! 株式を買ってくれた人におすそ分け!

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 このように、株式の購入で一時的に資産の数字はマイナスになりますが、保有し続けることでその価値は上昇、長期的にはプラスに転じることが期待できます。

 勿論株式も、利益ばかりが得られるわけではありません。倒産により株式が紙切れになるなど、相応のリスクが存在します。

 他にも不動産もよく知られている投資です。アパートの場合、賃貸物件の家賃収入で利益を得るための投資となります。

投機とは

 投資やギャンブルは名前だけでも聞いたことがある方が多いかと思いますが、投機は聞いたこともない方もいるのではないでしょうか。

 投機とは投資と違い、比較的短期間での価格変動から利益を得ようとすることで、基本的には中長期での利益は見ません。

 こちらで代表的なものはFXです。為替の動きで売買を行い利益を得る取引の中で、五年先や十年先を見据えて売買する人はいないでしょう。

 また、投資の代表である株式でも、短期的な売買が可能です。この場合は、株式の取引も投機ということになります。

 また、運の要素も一定の割合で含まれるため、例えば急な災害の発生による想定外の値動きで損失が出る可能性が投資と比べて高いといえます。

 2011年3月11日の東日本大震災において、それまで1ドル=82円前後の値動きを見せていた為替が、震災発生から約一週間後には一時1ドル=約76円にまで急騰しています。

 同様の動きは、1995年1月の阪神淡路大震災でも発生しています。

ギャンブルとは

 ギャンブルも投機と同じく、短期的なやり取りで利益を狙う行為です。

 ただし、投機と違うのは運営団体(胴元)の懐に収まる額(寺銭)が大きいという点。

 日本国内における公営ギャンブル(競馬・競輪・ボートレース等)の寺銭はおおよそ25~30%、宝くじに至っては50%以上が運営の手元に残っています。

 投機はゼロサムゲーム、ギャンブルはマイナスサムゲームであり、長期的に見るとギャンブルは参加者が必ず損をするように仕組まれているのです。

 ゼロサムゲームもマイナスサムゲームも、共にゲーム理論で用いられる用語です。

 参加者の損益を合算した際に、その数値が0となるもの(=期待値が0)がゼロサムゲーム、マイナスとなるもの(=期待値がマイナス)がマイナスサムゲームです(実際には投機であっても若干の手数料が含まれますが、その額はごくわずかであるため、分類上はゼロサムゲームとされます)。

 ちなみに、投資の場合だと、期待値がプラスなのでプラスサムゲームとなります。

バイナリーオプションは……

 以上を踏まえて、バイナリーオプションについて考えてみましょう。

 海外バイナリーオプションでは、状況や参加する取引における損益確定までの時間にもよりますが、多くの場合ペイアウト倍率は2倍近くに設定されています。

 仮にペイアウト倍率が1.9倍、1人につき1,000円でポジションをとり、予測が的中した人間と外した人間をそれぞれ50人ずつとすると……

的中 外した
人数 50人 50人
ポジション額 50,000円 50,000円
獲得総額 95,000円 0円
損益総額 +45,000円 -50,000円

 分かりやすくするために数を半々としましたが、いかがでしょう。ちなみに、同様の条件で予測を当てた人間が53人以上なら、リターンの総額は最初に投入された(ポジションの総額)100万を超えます。

 確率論においても統計学においても、長期的に見ると、このような『当たる外れるか』の状況では、運の要素のみを考慮した場合、それぞれの確率は50%に収束します。とはいえ、確実に運営側に利益が出るか、といわれると、そうとも言い切れません。

 ギャンブルにおいては、胴元の利益はほぼ確定しています。仮に勝率が5割に収束したとしても、絶対に胴元が得をするよう計算されています。

 バイナリーオプションでは、後述するテクニカル分析で、為替レートの動きはある程度予測が可能=勝率が50%に収束しません。

 以上のことから、バイナリーオプションは投機であるといえるでしょう。

 場所によっては『バイナリーオプションは投資である』と表現しているところもありますが、投資は長期で見て利益を得るものですから、定義には当てはまりません。

 ポジションの保持は海外バイナリーオプションのハイロードットコムでも最大1日ですが、これでも短期取引のうちです。

ギャンブラーほどバイナリーオプションでは勝てない

 バイナリーオプションは投機ですが、ギャンブルのような戦い方ができるのも事実です。

 ですが、ギャンブル的に取り組むと、バイナリーオプションでは勝つことは出来ません。

 何故なら、バイナリーオプションは運で勝負するものではないからです。

 バイナリーオプションで取引する為替というものは、各国の経済動向や、トレーダーの売買によって変動しています。これがどういうことかというと、一定の法則や傾向が存在するということ。よくシャッフルされた細工のないトランプや、偏りのないサイコロとは全く違うのです。

 運に頼った取引ばかりをしていると、どうしても確率収束から逃れられず、いずれは損失を被ります。勝率5割では、利益は出ないのですから。

 ペイアウト倍率が2倍を超えているのなら、運任せでもありといえばありですが、戦略を使って戦えるのならそちらのほうが圧倒的に堅実です。

安定して利益を出すために

 では、具体的にその『一定の法則や傾向』をどう読み解くのか。

 そのためには、テクニカル分析が最重要です。

 テクニカル分析というのは、株式やFXの世界において用いられる手法のひとつ。簡単にまとめると、過去の値動きのデータから今後の動向を予測する方法です。

 長年利用されてきたデータですから信頼性は非常に高く、そのデータの読み方さえ分かれば、経済に関する知識がなくても問題ありません。

「でも、過去のデータがどうして現在の値動き予測に役立つの?」

 そう思われる方も多いでしょう。しかし、もし役に立たない手法だったとしたら、今頃はとっくに廃れてしまっています。

 このテクニカル分析で見えてくるのは、値動きの統計的なデータだけではなく、トレーダーの心理でもあるのです。

 値段が高いときに売りたい、安いときに買いたいというのは、いつの世も変わらぬ人間の心理です。

 テクニカル分析は、これらをグラフで表し、我々に示してくれているのです。

 しっかりとチャートを読み解いて、まずは勝率55%以上――これがひとつの目安といってもいいでしょう。

正しく違いを理解してしっかりとした戦略を

  • バイナリーオプションはギャンブルではない
  • ギャンブルと思って挑むと痛い目を見る
  • 利益を得るためにはテクニカル分析が重要

 ギャンブルとしてバイナリーオプションに参加するという人物が一定数いるのは事実です。ですがそれは、あくまで彼等が好き好んでやっているだけで、バイナリーオプション=ギャンブルという図式は、成立しません。

 そして、そういった人間の多くが損失を被り、その結果、ギャンブル性が高いとして、日本国内ではバイナリーオプションは規制されました。

国内と海外でバイナリーオプションはこれだけ違う!

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 また、その高いギャンブル性を危険視したのは日本だけではありません。海外においても、2021年現在、バイナリーオプションを禁止している国は増えています。

バイナリーオプション規制から見るリスクの詳細と対策、BOの今後について

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 しかし、通貨ペアや金などの価格推移は予測が可能なもの。最後には堅実な人間が利益を得る。それが、バイナリーオプションの世界です。

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