バイナリーオプションのレクチャーは全部詐欺!自称講師のインスタ美女には関わるな!
UPDATE:2022/12/21
先日、ふと思い立って、Twitterで『バイナリー』で検索をかけてみました。
……出るわ出るわ、胡散臭さしかない自称講師のアカウント。いくらミュートしても、ブロックしても、一向に消えてくれない……挙句の果てには、同じ名前同じアイコンでアカウントを大量生産し、同じツイートを連発している始末。
まあ予測どおりではありましたが。
もっとも、これはある意味Twitterだから見られる光景なのかも知れません。何せ、バイナリーオプションのレクチャーだの何だのといった詐欺は、インスタこそがその温床となっているのですから。
今回は、

バイナリーオプションを悪用する詐欺事例から詐欺の見分け方を学ぶ
こちらの記事で取り上げた詐欺事例を、より突っ込んだ形でお伝えし、警鐘としたいと思います。
バイナリーオプションのレクチャーって価値あるの?
この記事に辿り着いた方なら薄々気づいているかと思いますが、インスタやTwitterで見かけるバイナリーオプションのレクチャー、そしてそこを足がかりに販売されているツールに、価値はありません。
バイナリーオプションの取引ルールについて、振り返ってみましょう。
- 現在のレート(海外バイナリーオプション)、あるいは目標レート(国内バイナリーオプション)を、決済時点で上回るか下回るかを予測
- 予測が当たれば予め決められたペイアウトが得られ、外せばポジション代を失う
これだけです。取引のルールは至極単純。これに対して何をレクチャーしてくれるというのでしょうか。
騰落予測の方法でしょうか? それならうちでもやってます(ダイマ)。
少し調べれば、当サイトのみならず、国内の証券会社がテクニカル分析のチャートの見方について解説しているページが出てきます。その証券会社の口座を持っていなくても閲覧可能です。当然無料で。
テクニカル分析の手法そのものは、間違いなくレートの動きを読むのに有用です。しかし、その基本的な見方はネット上にいくらでも転がっています。何なら、ウィキペディアにも基本的な内容が記されているほどです。それほど、投資や投機を行う上でありふれたものなのです。
ネットの情報が信用できないというのならば、テクニカル分析に関する書籍を購入すればいいだけの話です。高くても数千円出せば、十分なものが手に入ります。
そうやって、少しでも金融商品について学んだのなら気づくはずです――レートがどう動くのか、確実に予測する手法は存在しないことに。
だというのに、自称講師どもの「ここでエントリーすれば絶対に勝てます!」などという妄言を、どうして信じられましょう。
もしかしたら……
でも、もしかしたら、世間一般に知られていないだけで、実は必勝法は存在するのでは? そう思われるかも知れません。
その可能性は、実のところ否定できません。ですが、仮に必勝法があるとしても、それを知る機会は訪れないと断言できます。
考えてみてください。もしあなたが、バイナリーオプションにおいて『どんなに荒れたレートでも、どんなに平坦なレートでも、100%利益を出せる勝率100%の手法』を発見したとします。それを使い続ければ、一生遊んで暮らせる金が手に入るわけです。
その神がかり的な技術を、たかだか5万か10万のはした金で他人に売りつけようなんて考えが起きますか?
バイナリーオプションは、大雑把にいってしまえば、業者とトレーダーの利益の奪い合いという側面があります。基本的に業者の利益は、『トレード全体の掛け金から予測を的中させたトレーダーへのペイアウトを引いた分』であり、これは、『予測を外したトレーダーのポジション代から予測を的中させたトレーダーへの支払いを引いた分』とも言い換えられます。
つまり、負ける人間が多ければ多いほど業者は儲かり、勝つ人間が増えれば増えるほど、業者の支出は増えるわけです。
仮に、ある特定のタイミングで、100人のトレーダーが、掛け金10,000円、ペイアウト1.8倍の取引を、各々の予測の元ポジションを建てたとします。
このとき、予測を的中させたトレーダーが55人以下ならば、業者には10,000円以上の利益が発生し、56人以上が的中させたならば、8,000円以上の損失が発生します。
これがもし、100人が全員予測を当てた場合、業者が被る損失は800,000円となります。
負けるトレーダーが多いということは、業者にとっても、勝っているトレーダーにとっても、利益なのです。必勝法なんてものを広めたところで、なんの旨味もありません。
だというのに、実際には『絶対に勝てる手法を○○円で!』などと販売している輩が散見される……これがどういうことなのか、もうお分かりでしょう。その手法は、ただのゴミカスなのだということが。
レクチャー詐欺師の手口とは
とはいえ、近年ではもういくらか手の込んだ手口が横行しているようです。蓋を開けてみれば目くそ鼻くそなのはいうまでもありませんが。
具体的にどのような手口が流行っているのか……2022年2月現在、確認されているバイナリーオプションに関するレクチャー詐欺について、可能な限りまとめました。
レクチャー料は後払い
より具体的に言うならば、『利益が出るまではレクチャー料無料、利益が出たら利益分の○○%を報酬として支払う』という、『成功報酬後払い』という形態のようです。
つまり、どういうことか。
仮に『50万の利益でレクチャー料10%、更に50万の利益で追加で10%』という設定がされていた場合、
- 一定の利益が出るまでレクチャー料無料
- 50万の利益が出た時点でレクチャー料5万が発生
- 100万に利益が届いたら追加でレクチャー料5万
なるほど、思っていたよりも良心的ですね――とでも言うと思ったか。
冷静に考えてみてください。この契約には、利益が出たときの報酬については書かれていても、損失が出たときの扱いについては、一切触れられていません。
教えられた手法で一切利益が出せず、莫大な損失を抱えたとしても、向こうの財布は一切ダメージを受けませんし責任すら負いません。そのくせ利益を出したらしっかりと報酬を持っていくという、いっそ清々しいまでのノーリスクハイリターンっぷり。
……もしかして、『教えてもらったんだから相手がリスクを追わないのは当たり前』なんて思っていませんか? では、こういうのはどうでしょうか。
損失がかさむ
利益が50万出た!
音信不通に
報酬を払うことに
自力で頑張ってやっと利益を出せたと思ったら、なんの役にも立たなかった詐欺師に謎の報酬を支払うことに……
こんな地獄のような状況を承服できるというのなら、止めはしません。ただ、承服した先には、次なる搾取が待ち受けていますが。
口座開設を勝手にしてはいけない
ちなみにですが、上記の手口を使う詐欺師は、レクチャーの受講条件として『勝手に口座開設をしてはいけない』というものがあります。ちょっと何言っているのか分かりませんねこれ。
曰く、『過去に利益をごまかした人がいたので、自分経由で口座を開設してもらった人の残高情報を確認できるよう、業者側にお願いしている』とのことですが……その業者、個人情報管理ガバ過ぎません?
というかですね、ハイロードットコムにせよザオプションにせよ、口座名義人以外の第3者が、何らかの形で取引に関わるのは規約違反です。なのに、その規約に反する行為を運営側自ら犯すわけがありません。
最終的にはツールを買わせる
結局ここに落ち着く詐欺師の多いこと多いこと。すみません、冒頭で『手の込んだ手口が横行』なんていいましたが、全然そんなことはありませんでした。
正直、「え、これもう1回書くの?」というレベルの話なので、詳細はこちらを参照していただくとして、
- 高い勝率を謳うツールは100%詐欺。勝つどころかより損失がかさむ
- そもそも業者が自動売買ツールを禁止している場合が多いため、使えば口座が凍結する
といった具合に、PCの記憶容量と限られた時間の無駄遣いに他なりませんので、間違っても手を出さないようにしましょう。
詐欺ツールもサブスクの時代?
また、ツールの運用費だかなんだか知りませんが、中には『月額○万円』という、所謂サブスク型の詐欺ツールも出てきているようです。
従来の買切り型は支払ってしまえば(いや支払うな)それで終わりですが、こちらは契約し続ける限り延々と詐欺師に資金が渡り続けるため非常に悪質です。
いずれにせよ、中身がなんの役にも立たない塵芥であることに違いはありません。とにかく要注意です。
複合型というクソにクソを混ぜた汚物
面倒なことに、上2つをかけ合わせた詐欺手法も現れています。
利益が発生しない限り無料を掲げ、利益が出たらその報酬を受け取りつつ、『より安定して勝てる方法』などと称して、あるいは、利益が出せなかった相手に対して、『この方法ならうまくいく』とほざいてツールの購入を提案。どこまでもむしり取る気満々です。
LINEに誘導するのが目的の場合も
最後は、ちょっとだけ変化球。詐欺なのは変わりませんが、LINEのグループなどに参加させて個人情報を入力させ、その個人情報の売買でしのぎを得るタイプの詐欺です。
こういった、詐欺に騙される人間の個人情報は、裏で高値で取引されます。それは、言い方は悪いですが、カモにしやすい相手の情報だから。
一度詐欺に引っかかった相手なら、注意深くなってもう引っかからないとお考えでしょうが、ここで取り上げるような連中の手法など、本職に比べたら甘い甘い。
……いや、別に詐欺師を褒めているつもりなど毛頭ないんですが。詐欺師死すべし慈悲はない。
とにかく、その場では被害がないように見えて、裏では着々と犯罪行為が進行中です。くれぐれも、見知らぬLINEグループに誘われても参加なさらぬよう。

バイナリーオプションのグループLINEに参加する価値がないたった1つの理由
バイナリーオプションのレクチャー詐欺師の特徴
マニュアルじみた何かがあるんでしょうか、こういったバイナリーオプションのレクチャーを行うとうそぶく詐欺師には、ある一定のパターンがあります。
インスタ美女
減少傾向にはあるようですが、インスタでバイナリーオプションのレクチャー詐欺師の大半は、どういうわけか揃いも揃って美女揃いです。
まあ、その写真は本人ではないんですが。あくまでインスタ上では美女なだけであって、その中身はおっさんです。おっさんでなかったとしても、アカウントを動かしている人間とは別人です。
写真は、主に中国版のインスタから無断盗用しています。日本のアカウントをパクるとすぐバレるからか、簡単には盗用元が見つからないように多少は工夫しているようです。
当然、その投稿も全て偽物です。
生徒の利益報告ばかりで自分の取引は公開していない
なんでしょうか、自分は他者の利益のためだけに頑張る聖人君子ですよとでも言いたげです。
自分の生徒からの利益報告という体裁の元繰り返される自作自演。『○○さんのおかげで大きな利益が出ました!』から始まり、なぜか誰も彼もがマイカーを購入するというテンプレ付き。高い買い物が車しかないという時点で、発想が貧困です。
そのくせ、自分の取引については一切触れていない。そりゃ実際に取引してないから出せないのは当たり前か。
なお、多少HTMLなどウェブ関係の知識があれば、取引画面すら偽装可能です。デモトレード画面と本取引画面の違いを揃えてしまえば本取引に偽装できますし、何なら口座残高の表示も書き換えられます。
ですので、取引画面が公開されているからといって、信用できる要素とはなり得ません。
自分は詐欺師ではないという
盗っ人猛々しいですねぇ。そりゃ、詐欺師は自分のことを詐欺師とは言わんでしょう。
このタイプは、ターゲットを『すでに一度詐欺に引っかかった相手』に絞っているパターンが見られます。
どういうことかというと、
- 自分が被害にあったことを知って手を差し伸べてくれたのだと信用させる
- そこからLINEグループやメルマガに勧誘してくる
もはや洗脳の手口です。是非、『他人の貴様に私の何が分かる』という意識を強く持ちましょう。
まとめ
- バイナリーオプションのレクチャー講師を名乗るインスタ美女はあまねく詐欺
- 手口は巧妙化しているが最終的にはツールを売りつけようとしてくるのが多い
- 絶対に勝てる手法は、あったとしても世に出回らない
詐欺師どもは、あの手この手を駆使して自分を信用させようとしてきます。身分証明書の画像を送ってきたり、誰でも当てはまるであろうことをさも見抜いたかのように言って言葉巧みに心理を揺さぶったり等等等。
バイナリーオプションは、他でもない貴方の資産を動かすことになる取引です。その取引の判断を、赤の他人に委ねていいことがあるわけがありません。
要するに、『生殺与奪の権を他人に握らせるな』です。