バイナリーオプションのグループLINEに参加する価値がないたった1つの理由
UPDATE:2022/12/22
現代の連絡手段として、LINEは最早必須ツールといっても過言ではありません。個人間のやり取りのみならず、複数人と同時に連絡を取り合うグループ機能を活用する場面も多いことでしょう。
バイナリーオプションにおいても、レクチャーや参加タイミングの指示を目的としたLINEグループがいくつも存在します。曰く、グループに参加することで、ゆくゆくは皆で大きな利益を得られる、とのことですが……
まあ、もしかすると中には本当にそういうことが可能になるところもあるかも知れませんが、その大半、99.99%は、利用価値のないツールや情報商材を売りつけることを目的とした悪質グループであるため、参加は一切推奨されません。
グループLINEでのレクチャーが悪質だと断言できる理由
これを語る上で、まずはバイナリーオプションの仕組みをおさらいしなければなりません。
バイナリーオプションは、参加者それぞれの予測に従ってオプション料を支払い、その後決済時刻の結果によって損益を得る取引です。予測を外せばオプションは権利放棄となり、オプション料は没収されます。
このとき、没収されたオプション料は、『運営業者が受け取る手数料』、『予測を的中させた参加者へのペイアウト』に分けられ、分配されます。
これがどういうことかというと、参加者にとっても運営にとっても、予測を外す参加者が多いほうが利があるということ。何故なら、仮にある時点での参加者全員が予測を的中させた場合、業者は運営資金からペイアウトを支出しなければならなくなり、そんな状況が続けば、運営を終了せざるを得なくなります。そうなれば、その業者で安定して勝てていた参加者も困ります。
つまり、バイナリーオプションは、他を出し抜いて自らのみの利益を追求する金融取引なのです。
だというのに、『皆で一緒にお金持ちになりましょう』だなんて、信用できる道理がありません。
バイナリーオプション業者の規約的にもアウト
勿論、参加者が多いバイナリーオプション業者なら、ある程度複数の人間が同じ取引を行い、利益を得たとしても、上記のように運営資金を拠出する羽目には早々ならないでしょう。しかし、グループLINEで配信されるタイミングでの取引への参加は、また別の側面から、避けるべきであるといえるのです。
それは、各バイナリーオプション業者の利用規約にあります。
ハイロードットコムやファイブスターズマーケッツなどでは、『第三者からの金融の助言、推奨等に基づいたポジションの取得』を禁止しています。規約に明記されていない業者もあるにはありますが、『禁止行為の一覧が全てを網羅するものではない』と別途記載されている場合が大半です。
つまり、どの業者であっても、自己の裁量以外での取引は、口座凍結の対象となりうると考えられます。
加えて先述のとおり、業者にとって、権利放棄されるオプションが多ければ多いほど旨味があり、そこから利益を得ている参加者にとっても、負ける参加者は多いほうがいいわけです。ですから、たとえ少数であっても、複数名で同じタイミングでエントリーを狙うのは、リスクはあってもリターンがない、やる意味のない行為といえるでしょう。
そもそもの問題として
金融商品の取引に対して、エントリーのタイミングを具体的に指示するためには、投資助言業としての届け出が必要です。この業務に対して金銭の授受がなければ問題はないと思われますが、仮に、参加したグループLINEの主催が、コンサル料と称して金銭を要求してきて、その対価として『ここで買ってください』などと発言した場合、投資助言業務として認可を受けていなければ違法行為となります。
単に円高円安の予想を立てたり、テクニカル分析等の分析方法を紹介するだけなら、無資格でも問題ありません。ただし株価の場合、騰落の予測だけでもこの資格が必要となります。
ただし、仮にその人物が有資格者であり、自身もバイナリーオプションで利益を上げていると発言している場合、その真偽はさておくとして、今度は別の問題が発生します。
投資助言・代理業に登録した場合、登録者は金融商品取引業者の役職員ということになり、『投機的利益の追求を目的として、有価証券の売買その他の取引を行うことが禁止』となるため、結局のところ違法になってしまうのです。
特にこんなグループLINEには要注意
ここまでは、『主催側から見たグループLINEで取引に関する助言を行うリスク』という方向から、グループLINE参加の無意味性を解説いたしました。ただこれらは、利用する側にとってはほとんど関係のない話であるのも事実です。
規約抵触による口座凍結のリスクはともかくとして、もし配信される情報どおりに取引して利益が上げられるのなら、正直参加してみてもいいとは思います。無論参加の是非は自己責任ではありますが。
しかし、以下のような特徴のあるグループLINEは、そういった発言があった時点でブロック必須な悪質グループですので、ご注意ください。
取引で勝つためのツールがある
標題のような発言が見られた場合、結局グループLINE主催者の目的は、その、役に立つかどうか分からない、いや、まず間違いなく糞の役にも立たないツールの販売です。
これまで、
2回に渡ってバイナリーオプションに関連する詐欺事例をご紹介しましたが、ここでも1つの手口として、勝率が高いなんて大嘘を嘯く高額なツールを、あの手この手で売りつける点を取り上げました。
バイナリーオプションのグループLINEでも、やはり同様の地点に着地するケースが少なくありません。そのツールに手を出したとしても、示された数値どおりの勝率が出ることはありませんので、絶対に買わないようにしましょう。
もっと確実な手法がある
五十歩百歩というか、目糞鼻糞を笑うというか……結局、販売されるものがツールか情報かの違いでしかありません。
ここでいう確実な方法が、場合によってはマーチンゲール法である可能性もあります。

バイナリーオプションでマーチンゲール法は絶対ダメ!
近年ではマーチンゲール法が危険な手法であると広まってきたためか、あえて『マーチンではない』と断言しているところも増えてきていますが、その場合の中身はモンテカルロ法であったり、

バイナリーオプションでモンテカルロ法は使える?デメリットは?
もっとひどいものは、テクニカル分析として当たり前のことしか書かれていなかったりと、買うだけ無駄な情報でしかありません。
もし本当に勝てる手法なら、その手法に合わせて取引を行い、利益を独占するのが自然な流れです。『勝てる手法』を『他人に販売』している時点で、それはもう利用価値のないと考えましょう。
これはバイナリーオプション以外にも当てはまります。
例えば、動画配信で広告収入を得る手法というお題目で販売される情報商材が近年散見されますが、こちらに記載されている手法の多くは、『過去確かに利益を出せていたかも知れないが、現在では知れ渡りすぎて最早時代遅れ』なものが占めています。
基本的にネットに出回り、かつすぐに手に入るようなものは、すでにブームが過ぎ去ったもの、基本的なことしか書かれていない、そもそも再現性のないもの、このいずれかとお考えください。
まとめ
- バイナリーオプションのグループLINEは参加する価値なし
- 主催者は法律違反を犯している可能性もある
- 最終的には無意味なツールや情報を売りつけられる
バイナリーオプションは、しっかりとチャート分析を行い、自己の裁量によってトレードを行うべき金融商品です。何処の誰とも知れぬ誰かの言いなりでは、出せる利益も出せず、また成長もできません。
安定してバイナリーオプションで勝ち続けるために必要なのは、グループLINEでもツールでもなく、自分で得た分析の知識や技術であると、心得るようにしましょう。