ローソク足チャートのダブルトップ・ダブルボトムとは?基準となるネックラインについても解説

UPDATE:2022/12/21

 ローソク足チャートにおけるトレンド転換の形状として、以前『三山』『三川』について、他の酒田五法とともにご紹介しました。

ローソク足チャートの見方・酒田五法について

ローソク足チャートの見方・酒田五法について

 これらによく似た、そして三山や三川よりも頻繁に見かけることがあるローソク足の並び方があります。

 今回は、そんな『ダブルトップ』『ダブルボトム』について取り扱いつつ、それらを用いてトレンド転換を見る上で重要となる『ネックライン』についても、触れていきます。

ダブルトップ/ダブルボトムとは

 本題に入る前に、三山と三川について改めて。

三山

 三山とは、上昇トレンド中に上図のように高値圏で3度同程度の高値を記録したあと、下落に転じるサインとして用いられます。一方、三川は、

三川

 その逆に、下降トレンド中に安値圏で3回、同程度の安値が見られたあとに上昇に変わるサインです。

 三山で中央の山が最も高い場合は『三尊』、三川で中央の谷が最も低い場合は『逆三尊』と別に名前がついていますが、原則として起こる事象は同一のものです。

 では、ダブルトップダブルボトムとはどのようなものでしょうか。

ダブルトップ ダブルボトム

 上がダブルトップ、下がダブルボトムです。ご覧の通り、それぞれ三山と三川から、1つ山/谷を取り除いたものです。

 ただそれだけで、起きるのもトレンドの終了と逆側への転換と同様です。しかし、それぞれ要素が1つ減ったことで、三山や三川よりも頻繁に目にする機会があるでしょう。

 上図はあくまで形状の例として作成したものであり、このような綺麗な形を描くのは極稀です。大半の三山、三川は、一見してそうは見えない形であることが多いため、注意しましょう。

高値圏/安値圏でなければ意味がない

 ダブルトップ、ダブルボトム、そして当然三山や三川も、なんでもないところで現れたところで、何の意味も持ちません。

 ダブルトップや三山は高値圏で、ダブルボトムと三川は安値圏で生じて、初めて意味を持ちます。それ以外の箇所で生じたとしても、それは一時的な調整か、レンジ相場でしかありません。

 今レートがどの程度の位置にあるのか、安値圏や高値圏はどのあたりかを、まずは把握しましょう。

 ただし、そもそも高値圏にせよ安値圏にせよ、多分に主観的要素が入ってくる部分ではあります。

 如何にその主観を、より多くの市場参加者の目線に近づけられるかが大切です。

ネックラインの引き方

 さて、ここまでは、ダブルトップとダブルボトムの形状の話や、何が起きるのかという点についてご説明いたしました。しかし、これら2つ、そして勿論三山、三川においても、重要な要素については、あえて省きました。

 その重要な要素というのが、『ネックライン』です。

 実際のところ、高値止まりの山や安値止まりの谷が2つ3つできたからといって、それが必ずしも即座にダブルトップや三川となるとは限りません。ネックラインをレートがまたぐことで、初めてそれらは三山、ダブルボトムと呼べるのです。

ネックライン

 ネックラインは、ダブルトップやダブルボトムの場合は、山や谷の最高値/最安値同士を結んだ線に対し、その間の安値/高値を通る平行線を指します。

 三山や三川、その類型である三尊、逆三尊の場合、山/谷の間にある安値/高値同士を結んだ線がネックラインとなり、こちらでは、高値/安値同士を結んだ線と必ずしも平行になるわけではありません。

 ダブルトップの場合で説明すると、高値を記録した山が2つ生じたあと、そのネックラインをレートが下回った場合、そのまま下降トレンドに転じる可能性が一気に高まります。

 実際にチャートで発生した場合、ネックライン周辺が強く意識され、一時的にもみ合うことになります。状況次第では再度上昇方向に転じ、今度は高値の線付近でもみ合います。ここでまた下落に転じた場合、今度は三山となる可能性が見え、新たなネックラインが意識されます。

 この動きは、レンジ相場の『ウェッジ型』と同一です。

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どの程度まで値動きする?

 ネックラインを超えたときには、どの程度までの値動きが予測されるでしょうか?

 1つの基準として、少なくとも高値/安値のラインとネックラインの幅と同程度まで反転して動く可能性があります。

 勿論それはあくまで可能性の1つでしかないため、反発時の値動きの勢いなどは、RSIなどのインジケーターを活用して推し量り、状況に応じた判断が必要です。

ただし突破直後は要注意

 ただし、ネックラインを突破したからといって、油断は禁物です。その突破が一時的なものである可能性は残っています。

 また、ネックラインに到達して値が戻されたとしても、再度高値や安値を目指すわけでもありません。

 ローソク足チャートの形状だけで値動き予測を行うのは簡単ではありません。必ず、移動平均線やボリンジャーバンドなどを駆使して、他にも値動きの根拠を見出しましょう。

バイナリーオプションでは……

 さて、ダブルトップやダブルボトムは、バイナリーオプションでは活用できるのでしょうか?

 こればかりは、実際にチャートに現れてみないことには分かりません。その上、主にバイナリーオプションで使用するであろう1分足チャートや5分足チャートは、織り込まれる取引量が少ないことから荒ぶりやすいため、ダブルボトムやダブルトップで思惑通りに動くかどうかは難しいところです。

 しかし、それは実際のところ、他の時間足でも同様です。要するに、安易にそうだと決めつけるのは、どんなチャートであっても禁物であるということです。ただ、1分足チャートなどではテクニカル分析のインジケーターも精度が低下しているため、より一層の慎重な判断が求められます。

まとめ

  • ダブルトップは高値圏、ダブルボトムは安値圏でのトレンド転換のサイン
  • チャートがネックラインを超えると転換はほぼ確実
  • それだけでは根拠に乏しいためインジケーターの併用は必須

 ダブルトップもダブルボトムも、三山三川に比べると現れる頻度は高く、活用する機会は比較的多いでしょう。しかし、それはあくまで比較的であって、都合のいい場所で都合よく現れるとは限りません。

 その代わり、チャートでしっかりと確認できた場合はトレンド転換が強く意識され、高い可能性でその通りに動きます。限られたチャンスを見逃さず、しっかりと利用して利益を出していきましょう。

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