エンベロープはどんなテクニカル指標?バイナリーオプションでの分析方法は?
POST:2021/12/20
移動平均線を元にしたテクニカル分析の指標は、『ボリンジャーバンド』や『MACD』など多岐に渡ります。
今回取り扱う『エンベロープ』も、移動平均線を用いた指標の1つ。どういったものなのか、バイナリーオプション取引に役立つのかを、見ていきましょう。
エンベロープとは
エンベロープとは、先述の通り移動平均線を基準とした指標で、トレンド系指標に分類されます。
日本語では『移動平均乖離率バンド』ともいい、期間Nの移動平均線を中心として、±n%の幅で描かれます。
なお、エンベロープ(envelope)とは『封筒』のこと。その他、『包むもの』や『枠』といった意味もあります。
その他、インフルエンザウィルスなどが有する膜状構造を指すこともあります。
一般的な設定
移動平均線の期間Nや乖離率n%は自由に設定可能です。しかし、移動平均線の期間が短い場合や、乖離率が狭い場合、後述する分析に支障をきたすことがあるため、注意が必要です。
一般にこれらの期間は、期間N=20~25、乖離率n%=±2~5%とされていますが、期間に関しては14もよく用いられます。
ただし、これらはあくまで一般的な設定であり、固定で用いるべきではありません。
特に、MT4やMT5を用いる場合、乖離率を設定する『偏差』の値は、使用するローソク足の期間によって大きく調整が必要となります。
MT5での設定例
実際にMT5でエンベロープを表示させてみましょう。

エンベロープはトレンド系指標なので、『挿入』→『インディケータ』→『トレンド系』と進み、そこにある『Envelopes』を開きます。すると上記のような設定画面が現れます。
期間は移動平均線の期間、偏差は移動平均線からどの程度乖離させるか、種別は移動平均線の種類となっており、それぞれを設定し終えると、

ローソク足チャート状にエンベロープが表示されました。
ちなみに画像の設定値は、
- 期間:14
- 偏差:0.03
- 種別:Exponential
としており、ローソク足は1分足を表示しています。
先述の通り、偏差の値は一般的な設定とは異なる値となっています。仮に、1分足でこの数値を『3』とした場合、エンベロープが広がりすぎて、分析の指標としては全く役に立たなくなりますのでご注意ください。
なお、今回は補助的に同じ期間の指数平滑移動平均線を赤で引いていますが、外側の緑の線が、エンベロープで表示される線です。
ボリンジャーバンドとの違い
さて、移動平均線を基準としたテクニカル分析指標で、かつ画像のような幅を形成するものということで、ボリンジャーバンドを思い浮かべた方も多いかと思いますが、両者は別物です。
ボリンジャーバンドが過去の値動きの標準偏差を示しているのに対し、エンベロープが表示しているのは単純な乖離率。ですので、ボリンジャーバンドにあった『エクスパンション』『スクイーズ』『バンドウォーク』は、エンベロープにはありません。
エンベロープを用いた分析方法
ローソク足は、移動平均線から離れれば離れるほど、移動平均線に戻ろうとする力が強まる傾向があります。
この動きを分析する最も単純な方法といえるのが、エンベロープです。
それは、エンベロープで示されるエントリーのシグナルからも見て取れます。
- ローソク足が上側のラインに到達→反転下落のサイン
- ローソク足が下側のラインに到達→反転上昇のサイン
しかしながら、注意しなければならない点があります。
強いトレンドがあるときは役に立たない?
基本的には上記の通り、上下どちらかのラインにローソク足が到達すると、反転の可能性が高くなり、逆張りのエントリーシグナルとして扱われます。
しかし、トレンドの勢いが強い場合、ライン上にローソク足が張り付き、そのままトレンドの方向を維持し続けることがあります。
エンベロープだけでは、トレンドの勢いを図ることはできません。ですので、『ゲーターオシレーター』などのトレンドの勢いが分析できるテクニカル指標の併用をオススメします。
バイナリーオプションでの利用方法
バイナリーオプションで利用する際も、基本的にはシグナルの見方は同様です。気をつける点に関しても、上記のとおり。
エンベロープを利用する際に最も気をつけなければならないのは、やはり乖離率の設定を間違えないようにすることでしょう。上記では、1分足での設定の1例を挙げましたが、すでに完成しているローソク足チャートが、丁度エンベロープ内に収まるように調整すると、分析の指標として丁度いいかと思います。
まとめ
- エンベロープは移動平均線を基準とした乖離率
- オシレーター系指標との相性がいい
- 強いトレンドには弱い
エンベロープは、単体では少々エントリーの根拠に乏しくなってしまうテクニカル指標です。ですがボリンジャーバンドなどと比べると単純な構造ではあるので、チャートをスッキリさせたい場合や、他のテクニカル指標の補助目的で活用してみては如何でしょうか。