バイナリーオプションで目押しをする必要は一切ありません

UPDATE:2022/12/22

 パチスロの経験がある方なら、『目押し』について聞いたことがある、あるいは実践したことがあるのではないでしょうか。

 目押しとはもともとは『パチスロのリール回転で特定の絵柄を狙ってリールを止めること』を指し、現在ではゲームなどの『特定のタイミングでのボタン押下を要求される操作全般』も該当します。

 では、バイナリーオプションにおける目押しとはなんでしょうか。いくつかのバイナリーオプション攻略記事においてさも有用な手法であると取り沙汰されていますが、果たして効果の程はどの程度見込めるでしょうか。

バイナリーオプションにおける目押し

 バイナリーオプションでいうところの目押しは、

目押し

 このように、一時的に価格が動いたタイミングを狙って逆張りを行うエントリー方法です。

 ……はて、どこかで見たことがありますね、この手法というか、値動きの波形。

為替レートのノイズはバイナリーオプションで有効活用できる?できたら苦労しません

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 そう、これは結局のところ、ノイズ発生に合わせたエントリーと同じ方法。すなわちこの時点で、バイナリーオプションにおける目押しは全く有効性のないただのギャンブルであると断言できます。

 ……正直これ以上の説明が必要なのか疑わしいところではありますが、次項にてもう少し詳しく触れてみましょう。と、その前に。

目押しのやり方

 一応、バイナリーオプションでの目押しのやり方について。といってもなんのことはないのですが。

 この手法は、原則としてチャートに張り付くのが前提となります。その上で、急激かつ一時的な下落、あるいは上昇のタイミングで、前者はコールオプション、後者はプットオプションを取ることで、より安い価格、あるいは高い価格で取引を開始でき、権利行使が行いやすくなります。

 肝となるのは、トレンド相場。レンジ相場中の目押しはそのままレートが抜ける可能性があることから、トレンド相場の追随期での目押しが、多少は有効です。

 当然、下降トレンド相場の際は上昇に合わせ、上昇トレンド相場においては下降に合わせます。

 様々な取引の基本的な考えとして、『安いときに買い、高いときに売る』というものがあります。そういった観点では、目押しによるエントリーは理にかなっているとはいえます。

目押しが有効ではない理由

 目押しに取り組む無意味さは、それすなわちノイズを取引に活用できない理由と符合します。そのため内容的には、『為替レートのノイズはバイナリーオプションで有効活用できる?できたら苦労しません』にて触れたものと同様ですが、お付き合いください。

約定拒否されるかスリッページが発生する

バイナリーオプションにおける約定拒否の原因と対策を紹介!レート操作の疑惑も検証

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 約定拒否が起こりやすくなるタイミングは、

  • 多くの注文が重なったとき
  • レートの急変が発生したとき

 大まかにこのようなときです。ノイズは正しくこの『レートの急変が発生したとき』であり、約定拒否の可能性は無視できないレベルで高いといえます。

 また、ノイズ狙いの目押し勢は一定数いることから、『多くの注文が重なったとき』の条件にも当てはまります。すなわち、約定拒否が発生しやすくなる条件をいずれも満たしているということです。

 それだけに留まらず、『スリッページ』が発生してしまう恐れもあります。

 スリッページとは、注文を出した時の価格と実際に約定した価格にズレが生じる現象のこと。これは、

  • ①:注文を行う
  • ②:注文内容をサーバーが認識し処理を開始
  • ③:約定処理

 バイナリーオプションに限らず、ネットを介した金融商品取引で踏まれる一連のプロセスのどこかで、何かしらの遅延が生じた際に発生します。この遅延も約定拒否と同様の要因の他、サーバーの処理能力や通信環境によっても起こりえます。

そもそも本当にノイズかどうか分からない

 レートが急変して『ノイズだ!』と飛び込んだものの、実はそれがトレンド転換、あるいは終了のタイミングだったなんてことも起こります。

 根本的な問題として、レートの正確な予測は不可能であるため、それが目押しのタイミングなのか、それとも値動きの方向性の変化なのかは、後になってみなければ分かりません。

 先だって『トレンドの追随期での目押し』としたのはこのトレンド転換を少しでも回避しやすくするためですが、そもそもこのトレンドの追随期にしても、本当に今が追随期なのか、正確なことは誰にも分からないのです。

別にトレンドに合わせてエントリーすればいいだけの話

 というかそもそも、トレンド相場中のノイズに対する目押し=逆張りは、とどのつまりトレンドに合わせた順張りでしかありません。それなら、あえて約定拒否やスリッページが発生しやすくなるタイミングを狙って取引する必要はないのではないでしょうか。

 確かに一時的な反発のタイミングを狙ったほうが、より確実性は増すでしょう。しかしボラティリティの程度が利益に影響を及ぼさないバイナリーオプションでは、そのデメリットに見合う成果は得られません。

 ほんの僅かであっても予測した方向に値動きしていればいいわけですから、わざわざ目押しに挑むより、単純にトレンドに合わせた順張りを狙ったほうが、エントリーのタイミングも多くなることでしょう。

まとめ

  • 目押しはノイズを利用したエントリー方法
  • ノイズを利用しているため確実性は非常に低い
  • 目押しを狙うよりトレンドに合わせた順張りを

 他サイトを見た限り、目押しをおすすめする理由というのが、『簡単で初心者にも取り組みやすい』というものでした。そんなわけはありません。むしろ初心者こそ、正攻法をしっかりと身につけたほうが効率的かつ長期的に見て遥かに有用です。

 また、『確実に利益が出る』なんて言っているところもありましたが、これについては最早、金融商品取引について何の理解もしていないというレベルです。くれぐれもこういった戯言に引きずられませんよう。

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