ティックチャートを用いたバイナリーオプション攻略手法の1例
UPDATE:2022/07/11
テクニカル分析において、多くの場合使用されるチャートは『ローソク足チャート』、あるいは『バーチャート』です。この2つは形状が若干異なるものの、いずれも基本的な見方は似通っており、どの線が何を示すのかさえ把握してしまえば、同じ分析が可能です。
さて、チャートには他に、ティックチャートというものがあります。正確にはやや違いますが、ハイロードットコムやザオプションで表示されるチャートはこのティックチャートに該当し、一般的には分析には不向きなものと考えられています。
ですがもし、ティックチャートだけを用いて、バイナリーオプションを攻略することができたら。今回はそんな、一見無謀に思える手法に、ハイロードットコムを一例として、挑戦してみたいと思います。
通常であれば、決済までの時間が十分に用意された取引で、ローソク足チャートを用いたテクニカル分析が有用です。その点を大前提として、お進みください。
そもそもティックチャートとは
まずはティックチャートについて解説いたします。
ティックチャートとは、一定時間ごと、あるいは約定ごとの価格変動をラインで表示するチャートのこと。ハイロードットコムのティックチャートの場合、時間単位でのティックチャートが表示されます。

この時間単位のティックチャートは、極論すれば超短時間のローソク足チャートと同一と見ても問題ありませんが、高値や安値、始値終値の概念がないため、そこが決定的な相違点です。
通常、チャートツールでティックチャートを開いた場合は、折れ線グラフで表示されます。これをラインチャートと呼び、ハイロードットコムのように価格より下の部分が塗りつぶされたものをエリアチャートと呼ぶこともあります。
ただし、一般的にラインチャートというと、『指定した経過時間の終値同士を結んだチャート』となります。時間最小単位における終値を結んだチャートであると解釈すれば、ティックチャート=ラインチャートと捉えることも可能ですが、念のため注意しましょう。
特性上、FXでは僅かな利益を積み重ねていく超短期トレードである『スキャルピング』で用いられることが多いチャートです。
ティックチャートを極めてハイロードットコムを攻略
さて、攻略などとはいうものの、現実問題として、ティックチャートのみを用いた取引は難易度が非常に高く、またじっくりと状況を見定める時間的余裕もさほどありません。
また、ティックチャートの場合は各種インジケーターが極端な動き方をするため、使用してしまうとかえってわけが分からなくなる恐れがあります。
よって、これまで様々ご紹介してきたインジケーターは一切使用しません。何なら、MT4もMT5も使用せず、ハイロードットコムのトレード画面のみを用いて、なんとか分析、取引を行っていこうと思います。
……無謀にも程がある? おっしゃるとおりです。ですが、やりようによっては、ただ闇雲にやるよりも多少なりとも根拠のある取引が可能です。
レジサポラインをしっかり意識
ハイロードットコムの取引画面のみでの攻略において、おそらくは最も重要な要素となるのがレジサポラインの意識です。
レジサポラインとは大雑把に言えば、値動きの方向が反転している価格帯を起点とした水平線のことで、高値方向に引かれた水平線をレジスタンスライン、安値方向のものをサポートラインと呼びます。

レジサポラインを意識すればバイナリーオプションで勝ちやすくなる?
問題は、ティックチャートでレジサポラインが果たして機能するのかという点ですが、それほど強固ではないものの、ティックチャートにおいてもレジサポラインはある程度意識されているようです。

このように、135.235円/ドル付近での値動きの反発が見られます。見切れていますが、これより前の時間でも、同価格帯が意識されたと思しき反発がありました。
また、この後どうなったかというと、ハイロードットコムの30秒デモ取引画面を用いているためチャートの動きが早く、キャプチャーできていませんが、一度価格がラインを突破した後、再度下落。再びこの価格帯をレジスタンスラインとした後に、ロールリバーサルが発生しています。
ロールリバーサルとは、レジスタンスラインであったものがサポートラインとしての役割に切り替わる現象を指し、直訳すれば『役割転換』となります。
ちなみに、上記画像のタイミングでは、135.195円/ドル前後が、元のサポートラインとして意識されていたようです。
狙い目としては、レジサポラインを一時的に抜け、その後比較的直近でライン内に戻ってきたとき。見ているラインがレジスタンスラインならロー、サポートラインならハイへのエントリーを狙ってみてはいかがでしょうか。
トレンドラインも見てみよう
もう1つ見つけておきたいのが、トレンドラインです。

トレンドラインの正しい引き方とバイナリーオプションで活用する方法
といっても、上述のレジサポラインと比較してそこまで重要視はしていません。というのも、ティックチャートでは値動きの方向反転がしょっちゅう発生するため、せっかく引いたトレンドラインが一瞬で無効化されてしまうためです。
では、トレンドラインは無視していいのかというと、レジサポラインは強力なトレンドによって一瞬にして突破されてしまう可能性があるため、意識はやはり必要です。
先程のチャートに、大雑把ではありますがトレンドラインを引いてみましょう。

画像左側のレジスタンスラインでの反発なら、ローエントリーで取引が成立しています。しかし右側の部分でエントリーしてしまうと、レジスタンスラインとトレンドラインが近く、どちらのラインに従って動くか判然としません。
そして結果として、このタイミングでは一時的にレジスタンスラインが無効化されました。
先程、レジサポラインを一度抜けて戻ってきたタイミングがエントリータイミングとしましたが、トレンドラインによって反転が否定されると予測されうるときには、エントリーは控えましょう。
ティックチャートを用いる際の注意点
ひとまず、ティックチャートだけでも値動きを予測する術はなくはないと説明したところで、ティックチャート利用時の注意点をご紹介します。
普段以上にダマシを警戒
ティックチャートで最も警戒すべきは、ダマシの数が尋常ではないことです。
レジサポラインを突破してすぐに反転したから今がエントリーチャンスだ! と飛びついても、再度レジサポラインを突破することもままあります。ティックチャートを用いる以上はこのリスクは必要経費ではありますが、ダマシには一層の警戒を怠らないようにしましょう。
……といっても、警戒して回避できるほど、ダマシは容易なものではありませんが。
呑気に線を引いている暇はない
上でお見せした画像には線を引いていますが、実際の取引では線を引いている余裕はありません。ハイロードットコムのティックチャートは概ね1秒毎に更新されるため、いちいち画像をキャプチャーして編集ツールで線を引いて……なんてことをしていたら、チャートの形状がガラリと変わってしまいます。
ですので、トレンドラインは目視で、レジサポラインは反発やもみ合いが生じた価格をメモしておいて、その近辺の動きを見るなど、慎重さよりも的確かつ迅速な行動が求められます。
また、外部チャートツールなら過去の値動きを遡って見ることも可能ですが、ハイロードットコムのティックチャートではそれができません。そのことからも、最低限、レジサポラインとなりうるであろう価格帯は、随時メモを取って意識するようにしましょう。
まとめ
- ティックチャートはスキャルピングなどで利用される超短期的なチャート
- レジサポラインやトレンドラインはある程度有効
- ダマシに注意しつつ行動は迅速に
繰り返しとなりますが、ティックチャートのみで価格推移を予測するのは難易度が非常に高く、全くオススメできません。
とはいえ、大手のチャートツールでは、利用できるローソク足は、短くても1分足までという場合が多く、30秒取引には活用しづらさがあります。

バイナリーオプションの30秒取引を攻略!でもオススメはできません
なお、別記事にてバイナリーオプションの30秒取引攻略について触れていますが、こちらではティックチャートではなく、通常のチャートツールを利用することも視野に入れた内容となっています。今回はあくまで、ハイロードットコムのティックチャートのみでバイナリーオプションに取り組む手法、その一例として、参考までにとどめていただけましたら幸いです。