バイナリーオプションでクーリング・オフが利用できるわけがありません

UPDATE:2022/09/20

 クーリング・オフという制度があります。

 これは、特定の契約、販売形態において、一定期間は無条件で解約が可能な制度。これにより強引な契約を交わされたり、無理矢理商品を売りつけられた場合でも、期間内であれば一方的に撤回可能となっています。

 さて、バイナリーオプションを始めたはいいものの、やっぱり怖くなってやめたいというときに、このクーリング・オフ制度は利用できるのでしょうか?

バイナリーオプション業者に対してクーリング・オフはできない

 先に結論を。といっても標題どおりではありますが。

 バイナリーオプション業者に対しては、クーリング・オフ制度は適用されません。

 これは、クーリング・オフが利用可能なものは、あらかじめ指定されているからです。

クーリング・オフが利用可能なケース

 クーリング・オフが適用可能となる契約や販売形態は以下のとおりです。

期間
訪問販売・購入 8日間
電話勧誘 8日間
連鎖販売取引 20日間
業務提供誘引販売取引 20日間
特定継続的役務提供 8日間

 TVショッピングやネット通販などの通信販売は適用されず、自ら店舗に出向いて購入、自分で事業者を呼んで契約した場合にも、クーリング・オフは対象外です。また、商品代金が3,000円未満の場合も、受け取り代金を支払った後では制度が利用できません。

 バイナリーオプションは上記のいずれにも該当しませんので、制度は利用できません。

 ところで、上記のもののうち、訪問販売や訪問購入、電話勧誘は特段の説明は不要かと思いますが、残る3つは字面だけでは少し分かりづらい点がありますので、簡単にご紹介しましょう。

連鎖販売取引とは

 これは漢字で堅苦しく書くと分かりづらいですが、要するに『マルチ商法』『ネットワークビジネス』などのことです。

 マルチ商法とは、『他の誰かを加入させれば、その販売員の成果に応じて利益が得られる』などとして、個人の販売員を次々に増やしていくピラミッド型のビジネス。ネズミ講と違い合法であるとされていますが、とかく悪質な話が飛び交います。

 ネットワークビジネスはこれを言い換えただけのものであり、いずれにしても別途連鎖販売取引の規制を遵守しなければなりません。詳しくはこちらの『特定商取引法ガイド』をお読みください。

業務提供誘引販売取引

 これは、通称『モニター商法』などとも呼ばれます。

 仕事を提供する代わりに、その仕事に必要であるとして何かしらの金銭的負担を追わせる取引がこれに該当します。例えば、健康器具などを購入してその感想を事業者に提供し、その見返りとして利益を受け取る取引などです。

 これについても『特定商取引法ガイド』にて詳細が記載されています。

特定継続的役割提供

 こちらは要するに、エステサロンなどで展開されるプランのことです。

 エステ、語学教室、学習塾、家庭教師、パソコン教室、婚活サービスでの契約が該当しますが、場合によっては全額の返金ではなく、すでに受けたサービス分を差し引いた額のみが対象となることがあります。

バイナリーオプション関係でクーリング・オフの対象となり得るのは

 上記の中で、バイナリーオプション関係で出てきそうなものは、『連鎖販売取引』と『業務提供誘引販売取引』でしょうか。といっても、絶対数としてやはり多くはありません。

 しかも、そういったケースの場合だと、そもそも以下の記事で取り上げた事例に一部、あるいは全面的に該当することになるため、そもそも初めから近づかないのが吉です。

 もし、『レクチャーの会員を勧誘して、その会員が利益を上げたら、一部を分配する』などの話が出てきた場合、連鎖販売取引に該当する可能性があり、クーリング・オフが利用可能となると思われますが、バイナリーオプションにおいてこのようなビジネス(?)形態はあまり耳にしません。無論、だからといって警戒しなくていいというわけではありませんが。

 業務提供誘引販売取引については、『新しく作った自動売買ツールのレビュー提供』などが該当すると思われますが、これもまた同上。そもそも自動売買ツール自体、バイナリーオプションで用いるべきではないものですので、手を出さないに越したことはありません。

実はこんな場合も訪問販売になる

 バイナリーオプションで訪問販売というとピンと来ない方が多いでしょうが、実は、SNSや出会い系、マッチングアプリなどを通じて会う約束を取り付け、情報商材を売りつける行為も特定商取引法上は訪問販売の一種と規定されています。

第十一条の二 法第十二条の三第一項に規定する電磁的方法(以下単に「電磁的方法」という。)は第一号及び第二号に掲げるものとし、令第一条第一号の電磁的方法は第一号から第三号までに掲げるものとする。

  1. 電話番号を送受信のために用いて電磁的記録を相手方の使用に係る携帯して使用する通信端末機器に送信する方法(他人に委託して行う場合を含む。)
  2. 電子メールを送信する方法(他人に委託して行う場合を含む。)
  3. 前号に規定するもののほか、その受信をする者を特定して情報を伝達するために用いられる電気通信(電気通信事業法(昭和五十九年法律第八十六号)第二条第一号に規定する電気通信をいう。)を送信する方法(他人に委託して行う場合を含む。)

特定商取引に関する法律施行規則 第三節 第十一条の二

 実際の凡例として、2020年に岡山にて、マッチングアプリにて知り合った複数の被害者に対してバイナリーオプションに関する情報商材を販売、その後契約解除を妨げたとして、特定商取引法違反の疑いで4人が逮捕されています。

まとめ

  • バイナリーオプション業者に対してクーリング・オフは適用外
  • クーリング・オフが可能なものはあらかじめ決められている

 もし、クーリング・オフ制度について詳しく知らずに、困ったらクーリング・オフすればいいなんて安易に考えているのだとしたら、あまりにも愚かであると言わざるを得ません。そういった方は、バイナリーオプションは勿論、一定のリスクのある金融商品取引に手を出すべきではないでしょう。

 また、バイナリーオプション関連でクーリング・オフ制度が適用されるであろう事例についても、大前提として触れるべきではない代物ばかりですので、くれぐれもご注意ください。

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