バイナリーオプションで情報商材は役に立たない

UPDATE:2022/12/22

 情報商材という名を聞くだけで、何かと胡散臭さを覚えてしまう方も多いことでしょう。実際問題、情報商材は詐欺の温床となっている面があるのは確かですが、中には額に見合ったものもあるため、一概に全てが無価値なものと断ずるのはいささか早計です。

 ただし。バイナリーオプションやFXにおける情報商材については、その大半――99%は一銭の価値もないと断言しても問題ないでしょう。勿論、これに関しても、探そうと思えば有用なものが見つかる可能性は0ではありませんが、砂漠の中から1粒の砂を探すのに明け暮れるくらいなら、自分なりの分析技術を身に着けたほうが賢明です。

 もし今、バイナリーオプションに関係する情報商材に手を出そうとしているのなら、一度立ち止まって、それが本当に必要なものかを考えてみてください。

バイナリーオプションで情報商材が役に立たない理由

 何故、バイナリーオプションの情報商材は価値がないと断言できるのか。これは、再三再四に渡って繰り返し続けてきましたが、バイナリーオプションの性質上必勝法が存在しないこと、そして、勝利者の増加は業者、トレーダー双方にとってよろしくない状況だからです。

 通貨ペアに限らず、金融商品の騰落は完全には予測できません。ダウ理論を持ち出すまでもなく、金融商品の行く末には様々な要因が影響を及ぼします。タイムマシンでも使って未来から情報を持ち込みでもしない限り、完全完璧正確な予測など、プロトレーダーでも不可能な領域です。残念ながら2022年現在、学習机の引き出しの中には何もなく、時速88マイルでの走行あるいは飛行を前提とする融合炉を搭載した車両も開発されていませんので、諦めましょう。

 完全に余談ですが、未来への一方通行なタイムトラベルは、広義ではすでに実現可能です。実際に東京スカイツリーの展望台の光格子時計は地上のものよりもわずかに進んでおり、宇宙空間と地球上とでは、宇宙空間のほうが時間の経過は早いことが実証されています。

 値動きに対する予測精度はどれほどよくても70%、60%もあれば十分といわれます。それを遥かに上回る勝率を提示している情報商材は、明らかな誇張表現です。

 仮にその高確率が事実だとしても、それを世間に知らしめる行為はデメリット以外の何物でもありません。勝者が利益を得られるのは敗者がいてこそで、業者にとっても、権利放棄の件数が多いほど旨味があるのがバイナリーオプションの世界です。ならば、権利放棄の数を増やすために虚偽の情報を流すことはあっても、全員が勝利者となり得る技術の公開など、誰が行うでしょうか。

こういうときは詐欺を疑え

 バイナリーオプションに関する情報商材は基本的に手を出す必要のないものですが、その中でも以下に挙げる特徴を有するものは、法的には詐欺でなかったとしても詐欺に限りなく近いものですので、絶対に手を出してはいけません。

高すぎる勝率

 先述したとおり、金融商品の値動きに対する予測精度は、70%出ていれば超がつくほどに優秀です。一般的には60%程度が関の山ともいわれています。

 それを安々と超える勝率を謳うものは、数字の上では神がかり的な情報に思えても仕方ありませんが、その中身は広く知られている基本的なテクニカル分析の手法でしかなかったり、最悪出鱈目なことしかいっていない可能性すらあります。

 万が一、『勝率100%』や『必ず勝てる』などの表記があった場合、今度は消費者契約法における『断定的判断の提供』によって契約取消理由に該当すると考えられます。事実、ギャンブル詐欺に関する民事訴訟において、そのような判断が成された判例もあります。

販売期間が短い

 その情報商材がどの程度の期間販売されているかも、判断材料の1つとしてある程度有効です。

 もし、それなりの長期間継続して販売されている情報商材の場合、中身の程度はともかくとして、それなりに信頼できるものであると考えることもできます。しかしながら、販売開始からそう時間が経っていない場合、警戒が必要です。

 勿論、本当に最近になって販売を開始しただけという可能性もありますが、以前は別の名前で売られていた情報商材が、悪評が集まってきたから名称だけ変更して再販されているだけという可能性も考えられます。

 有益なものならば、そんなことをする必要はありません。この、『悪評が増えてきたから名称を変更する』というのは、情報商材に限らず様々な場面で目にしますので、ご注意ください。

有益な情報を発信している人間が信用できるとは限らない

 こちらはやや変化球気味です。

バイナリーオプション系YouTuberの動画に見る価値はあるのか?

バイナリーオプション系YouTuberの動画に見る価値はあるのか?

 こちらで触れたとおり、バイナリーオプションや為替に関するYouTube動画は非常に多く存在します。その中には有用な情報を提供しているものも決して少なくありません。

 しかし、動画で有用な情報を提供しているからといって、その人物が販売している情報商材までもが有用かどうかは、大いに疑問が残ります。

 無料で有益な情報を流しておいて、『もっといい情報がある』と金を取るのはよくある常套手段です。くれぐれも騙されないように気をつけましょう。

まとめ

  • バイナリーオプションの情報商材は手を出す必要はない
  • 仕組みを知っていれば、必勝法がないことはすぐに分かる
  • 矢鱈に高い勝率や短い販売期間など、警戒すべきポイントをしっかり押さえる

 2020年には、岡山にてバイナリーオプションに関する情報商材絡みで、4人の逮捕者が出ています。

デリバティブの一種であるバイナリーオプション取引をめぐり、高額な情報商材を販売し返金に応じなかったとして、岡山県警は先月、特定商取引法違反の疑いで自営業越智遼容疑者(27)ら4人を逮捕していたことがわかりました。被害総額は3億5000万円にのぼるとのことです。

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 この事件では詐欺罪ではなく特定商取引法違反の疑いでの逮捕となっていますが、類似するものに引っかかってそのまま泣き寝入りするケースも少なくありません。

 バイナリーオプションに取り組む際には、他人の力を頼ろうとせずに、自分で技術を磨いていくようにしましょう。

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