バイナリーオプション業者に出金拒否される理由と対処法について

UPDATE:2023/02/08

 海外のバイナリーオプションを利用する上で最も見たくないのは、『出金拒否』の事態。せっかく得た利益も、業者の口座から引き出せなければただの数値でしかありません。

「でも出金を拒否されるってことは、不正な取引をしたからでは?」

 勿論、利用規約にて明確に禁じられている取引手法を取ったために、バイナリーオプション用口座から出金できないというケースが大多数を占めます。では、不正な取引とは具体的にどういったものなのか、それを十全に把握している方は、少ないのではないでしょうか。

 自分では普通に取引していたつもりでも、実はそのやり方が規約に抵触しており、いざ出金しようとして拒否され、最悪口座が凍結される……そんなことにならないように、各業者の利用規約から、具体的にどのような手法がバイナリーオプションで禁止されるのか、ピックアップしました。

バイナリーオプションで禁止される取引方法

 これまで、口座凍結に関して、

 ハイロードットコム、ザオプション、ファイブスターズマーケッツの3社について、個別にご紹介しました。それらを統括しつつ、より具体的に、出金が拒否される可能性がある取引方法や、口座の使い方をまとめました。

禁止された取引手法

 一口に『禁止された取引手法』といっても、その内容は業者によって微妙に違いがあります。それに加えて、いずれの業者であっても、規約に明記されているもの以外にも自社のみの判断によって出金を拒否できるとあり、全ての禁止行為を網羅することは実質的に不可能です。

 ただ、少なくとも以下に示すような取引は、各業者で出金拒否、および口座凍結の対象になり得ますので注意しましょう。

第三者の介入

 バイナリーオプションでは、自己の判断による取引、すなわち『裁量取引』のみを大原則としています。

 具体例を挙げると、LINEのグループなどで、『ここでポジションを建ててください』という指示に従って取引すると、たとえその取引で利益が生じても出金拒否される原因となります。

バイナリーオプションのグループLINEに参加する価値がないたった1つの理由

バイナリーオプションのグループLINEに参加する価値がないたった1つの理由

 詳細は上記記事でも触れていますが、バイナリーオプションの利益は業者側とトレーダー側の奪い合いという側面があります。業者にとっては権利放棄者が多いほうが都合がよく、権利行使者にとっても、業者が利益を得ているほうが長期的な運営が望めるため好都合です。

 仮に友人から誘われたなどの理由があったとしても、バイナリーオプションに取り組む際には『自己の判断において口座開設および取引』を心がけてください。

業者のサーバーに負荷を与える行為全般

 バイナリーオプション業者のサーバーに対し、過剰な負荷を与える行為も、当然出金拒否、ひいては口座凍結の原因になります。

 サーバーに負荷がかかれば、レートの遅延や約定拒否が発生しやすくなり、場合によってはサーバーダウンの危険性すらあります。もしサーバーが落ちれば、業者側は余計な臨時メンテナンスに時間と労力を割くことになり、トレードする側は、本来取引するはずだったタイミングでの取引が不可能となります。

 どのような行為がサーバーの負荷になるかというと、『過度に連続したエントリー』、所謂『連打法』が考えられます。

バイナリーオプションの連打法は超危険!絶対にやっては駄目!

バイナリーオプションの連打法は超危険!絶対にやっては駄目!

 大半のバイナリーオプション業者は、過剰な連打を抑制するため、一度ポジションを建てたあとには、再度エントリーできないよう一時的にボタンが無効化されるようになっています。しかしそれでも、ボタンが押せるようになる度にエントリーされ続ければ、その都度発生する注文処理や、やがて訪れるであろう決済処理の際にサーバーに負荷がかかります。

 そもそも連打法≒スキャルピングは規約にて明確に禁止されている場合もあるため、取引手法として取り入れるのはやめましょう。

仮想サーバーの利用

 仮想サーバー、仮想マシン、仮想プライベートネットワークを取引に利用すると、正常な取引ではないと判断されます。

 非常に大雑把にまとめるならば、これらの利用は『自分の場所や利用している端末を隠蔽する行為』であり、普通に取引するだけなら全く必要がありません。これを利用する理由の多くは、後述する自動売買ツールを使うためというケースで、こちらもやはり禁止としている業者が大半なため、自動売買ツール利用を疑われるVPSやVPNは、取引時には利用しないようにしましょう。

 同様に、匿名性を高めるTORブラウザからのアクセスも、業者側によって禁止されています。

インサイダー取引、もしくはフロントランニング

 インサイダー取引もフロントランニングも、事前に知り得た強い影響力を持つ情報をもとに利益を得る行為で、一般トレーダーには関係のないものではありますが、こちらもバイナリーオプション各社で禁じられています。

 いずれも、そもそもが規制されている取引方法です。またそれ以前に、金融機関や証券会社に勤務している場合、バイナリーオプションなど投機目的に取り組む取引自体問題となることがありますので、ご注意ください。

自動売買ツールの利用

 これも大まかにまとめてしまえば、上の『禁止された取引手法』の1つではあります。ただし、ファイブスターズマーケッツに限っては、『弊社の許可無くクライアント側でロボット、取引システム等を使用したと弊社が判断した場合』が規約に抵触することから、裏を返せば『許可を取れば使える』ということに繋がるため、分割いたしました。

 とはいえ、ファイブスターズマーケッツ以外のバイナリーオプションでは明確に禁止されているため、いずれにせよ自動売買ツールの利用は行うべきではありません。加えて、世に氾濫するバイナリーオプション用のEAは、高額な割に利益が出ないなど問題を抱えたものばかりですので、そちらの理由からも手を出すのは控えましょう。

 また、先述していますが、自動売買ツールは、24時間稼働させ続けるためなどの理由により、仮想サーバーなどを用いる場合が多い傾向にあります。ファイブスターズマーケッツはこちらに関しては禁止しているため、もし許可を得たとしてもご自身のマシンを用いましょう。

取引量に対する入出金量

 これについては、人によっては知らず知らずの内にやってしまっているかも知れません。

 口座にはしっかり余力があるのに取引量が極端に少なかったり、取引をほとんどしないまま多額の入金が続いたりしている場合、マネーロンダリングを疑われ、出金が拒否されることがあります。

 マネーロンダリングとは資金洗浄のことで、不正に得た金をバイナリーオプションなどの口座を通すことによりその不正という汚れを洗い流す行為を指します。マネーロンダリングを行う理由が概ね犯罪と直結するため、各社で禁止されています。

 とはいえ、知らず知らずの内にやってしまっているかもとは言いましたが、マネーロンダリングは非常に大きな資金が動くため、一般のトレーダーがこれを疑われることはほとんどないかと思われます。それに、バイナリーオプションに取り組んでいればまずもって問題ないことではありますので、そこまで気にしなくてもいいでしょう。

口座開設手続き時の書類の不備

 バイナリーオプションの口座開設の際には、本人確認書類の提出などが求められます。この際に、『提出した本人確認書類の画像がぼやけていた』『そもそも期限切れだった』『入力された姓名や住所と書類のものとが一致しない』などの理由により、出金が止まることもあります。

 書類に不備があっても、入金や取引は正常に行える場合があるため、この点は意外と見落としがちです。口座を作る際には、提出する前に問題がないかしっかりと見直すようにしましょう。

その他

 ここまで挙げてきたものが、バイナリーオプションで出金が拒否される代表的な例です。しかしこれらに限られるというわけではなく、他にも様々な原因が考えられます。

 一例を挙げるとすれば『マーチンゲール法の利用』があります。

 これはどの業者の規約にも明記こそされていませんが、例えばハイロードットコムでは『取引量の急激かつ重大な変化と発行者が考える事態に関係する取引パターン』が禁止行為に挙げられています。

 マーチンゲール法は負ける度にオプションプレミアムを倍にする手法で、連敗すれば取引量は急激に変化します。そもそもマーチンゲール法そのものが、理論上は利益が出るとはいえハイリスクローリターンな方法なので、注意しましょう。

出金が拒否された場合どうすべきか

 全く見に覚えのないにもかかわらず出金が拒否されてしまった場合どうすればいいでしょうか。

 ここからは、上で取り上げたような違反行為を行っておらず、全て自己の判断自己の分析においてのみ取引を行ってきたという前提のもと、出金拒否への対応を見ていきましょう。

運営に問い合わせる

 出金が拒否された際には、運営からその旨の連絡が入っているかと思います。ただ、そこには『何故出金を拒否したのか』という点にはほとんど触れられていないでしょう。

 このときに慌てて問い合わせを行う前に、それまで行ってきた取引内容を振り返って、どこかに疑われる要素がないか探してみましょう。そのためにも日々の取引を記録するのは大切です。

 その結果、やはり不正を疑われる要因が見当たらないときに始めて運営に問い合わせを行いますが、このときにも感情的にはならず、

  • 運営の不利益となる不正な取引はしていないこと
  • 何故出金が拒否されたのか
  • 改めて出金を依頼したい

 など、あくまで冷静に対処しましょう。

 この訴えによって正しく出金されるかどうかは状況次第としか言いようがありませんが、拒否されていた出金が正常に行われる場合も少なくありませんので、諦めずに行きましょう。

 ただし、出金拒否の理由については正確な返答が得られるとは限りません。

一時的な停止だけの場合も

 実は出金拒否ではなく、書類の精査などによる一時的な出金停止だったということもあります。その場合も連絡は届いているかと思います。

 その場合は、運営が問題なしと判断すれば正常に出金され、問題がある場合は出金が拒否されます。書類の不備による出金拒否の場合はその旨のメールが届きますので、書類を再度提出、もう一度出金申請を出しましょう。

どうしても納得出来ない場合は

 絶対に不正なことはやっていないし、書類も審査に通っているのに拒否され、問い合わせてもどうにもならない――そんなときの最終手段は、弁護士などの専門家の力を頼ることです。

 海外バイナリーオプションは基本的に金融庁非認可の取引所ですが、利用する側に違法性はありません。よって、弁護士に相談したからといってトレーダー側の不利益になることはありません。

 ただし、これで出金要請が通るかどうかはなんともいえません。入金された分は返金対応、以降は口座は閉鎖するという解決策に落ち着くことも考えられますので、注意しましょう。

まとめ

  • 出金が拒否される理由は様々
  • 規約に反していなければ出金拒否はされないが、規約も全てが網羅されているわけではない
  • 拒否されたら冷静に対応を

 頑張って手に入れた利益ですから、使える状態で手元に置いておきたいのは当たり前の話です。そんなときに出金が拒否されれば、カッとなって文句を言いたくなるのも当然です。しかし、感情的になって喧嘩腰で運営に文句をいっても事態は進展しませんので、まずは一度冷静になって動くようにしましょう。

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