モメンタムとは?バイナリーオプションと相性がいいって本当?

POST:2021/12/15

 オシレーター系指標は、総じて相場の強弱を表すテクニカル指標です。代表的なものとしてはRSIなどがあります。

 今回取り扱う『モメンタム』も、そんなオシレーター系指標の1つ。そして、相場の勢いを示すという単純な目的においては、おそらく最も手っ取り早い指標ではないでしょうか。

 そんなモメンタムは果たしてバイナリーオプションでも活用できるのか、見ていきたいと思います。

モメンタムとは

 momentumの日本語読みがモメンタムで、その意味はそのままズバリ『勢い』。あるいは、物理学においては『運動量』を指す単語です。

 これが金融用語の場合だと、相場の勢いを評価し、分析につなげるテクニカル指標、あるいは、文字通り相場の勢いを示すための表現としても使われます。

 モメンタムを割り出す計算式は至極単純で、

[現在の終値] – [n本前のローソク足の終値]

 あるいは、

([現在の終値] / [n本前のローソク足の終値])×100

 となっています。

 MT4やMT5では、後者の計算式が採用されています。前者は単純な差額であるのに対し、後者は価格差の比率を求めています。

 結果には大きな違いは現れないため、実際のところどちらも同じと考えて問題ないかと思います。以降は、MT4、MT5に準拠して説明いたします。

 nの値はMT4やMT5のデフォルトである『14』の他、より短期的な値動きを見る『5』、中期的な『20』なども用いられます。

 モメンタムに似た考え方で表される指標の1つとして、一目均衡表の遅行スパンが挙げられます。

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モメンタムの見方

モメンタム

 こちらは、USDJPYの通貨ペアで表示させた、1分足におけるモメンタムです。期間はデフォルトの『14』で設定しています。

 MT5のモメンタムは比率での計算なので、補助線として『100.00』のところに水平線を挿入しています。こちらの設定は、モメンタムの設定画面の『レベル』タブから可能です。

 何故あえて追加したのかというと、モメンタムの分析には、この100ラインが重要だからです。

 モメンタムの考え方の基本は、モメンタムが100ラインを上から下に抜けたときは下降トレンドの発生、下から上に抜けたときは上昇トレンドの発生という単純なもの。

 トレンドの発生や転換を見るなら、移動平均線のクロスやトレンドラインのブレイクなどでも可能です。しかしモメンタムは、それらよりも圧倒的な反応速度を誇ります。

 その分、ラインを突き抜けたからといって、本当にトレンドが発生するかどうか不確実性が高いともいえます。

 他の指標と組み合わせて、ダマシの可能性、一時的な押し目、戻りの可能性を常に考慮するようにしましょう。

トレンドの衰退が分かる

 モメンタムを読み解くことで、トレンドの勢いが衰退し、終焉に向かっている状況を見つけることも可能です。

 価格自体は上昇傾向にあるのにもかかわらずモメンタムは下降傾向にあったり、逆に、価格自体は下降傾向でもモメンタムが上昇傾向にあると、トレンドの終りが近いことを示唆しています。

 この現象をダイバージェンスといい、

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 RSIなどでも見られる現象です。

モメンタムのバイナリーオプション活用

 このモメンタムを、バイナリーオプションで活用してみようと思います。

 バイナリーオプションでは、順張りでエントリーしたほうが比較的勝率がよくなる傾向にあるため、トレンドの初動を確認できる可能性があるモメンタムとは、相性がいいと思われます。

 エントリーのタイミングは、やはり100ラインを大きく突き抜けたあとではないでしょうか。先述の通り、モメンタムが100ラインを突き抜けたということは、そちらの方向へのトレンドが発生した可能性が高く、上手く流れに乗れれば、しっかりと利益が獲得できます。

 しかしながら、勢いがついていないとすぐにまた元の方向に逆行する可能性のほうが高くなってしまいます。また、勢いがあったとしても、直後に逆行しないとは限りません。

 そこでオススメしたいのが、ボリンジャーバンドとの組合わせによる分析です。

ボリンジャーバンドはどう活用する?ローソク足との関係をしっかり把握しよう

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 ボリンジャーバンドのバンドウォークと併用することで、ダマシを回避できる可能性が上がります。

 具体的には、モメンタムが突き抜けたときにスクイーズからエクスパンションへと切り替わった場合、そのままトレンド相場を形成する可能性が高まります。

まとめ

  • モメンタムはレートの勢いを示す最も単純な指標
  • トレンド発生時の反応速度が圧倒的
  • ボリンジャーバンドとの相性がいい

 モメンタムは様々ある指標の中でも、バイナリーオプションとの相性が比較的いい指標であると感じました。

 ただ、オシレーター系指標の常として、レンジ相場はモメンタムの苦手とする状況なので、注意が必要です。

 とはいえ、バイナリーオプションの有利な局面もトレンド相場なので、ボリンジャーバンドなど複数の指標と組み合わせて、モメンタムでトレンド発生の兆候を見逃さないようにしたいところです。

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