平均足を理解してバイナリーオプションを攻略するための基礎情報

UPDATE:2022/12/22

 ローソク足は、指定した期間、例えば1分や1時間、1日の値動きを示すものです。あらゆるテクニカル分析を行う基本データでもあります。

ローソク足って何者?バイナリーオプションで超重要!まずは基礎から

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ローソク足チャートの見方・2本のローソク足の組み合わせ

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 これとは別に、形状は同一ではあるものの、ローソク足から派生したものに『平均足』というものがあります。これが一体どういったものなのか、バイナリーオプション取引の分析に利用する際の注意点について触れていこうと思います。

平均足とは

 平均足の形状そのものは、先述のとおりローソク足と同じです。始値、終値、高値、安値の四本値で示され、この内、高値と安値については、読み取り方もローソク足と同一の数値を扱います。

 異なるのは、始値と終値の考え方。通常のローソク足なら、始値=その期間の開始時点での価格であり、終値=その期間の終了時点での価格を表しますが、平均足はこれに一手間を加えます。

平均足チャートとローソク足チャート

 こちらは、同一時間における平均足チャートとローソク足チャートを並べたものです。右側がローソク足チャート、左側がその上に平均足を重ねたチャートです。赤が陰線、青が陽線を示しています。

 平均足における始値には、1つ前の平均足の始値と終値の平均値が使用されます。これがチャートにどう影響するのかというと、平均足の始値は、必ず直前の平均足が描いた実体の中心から始まるということです。

 では終値はどうかというと、平均足の終値は、同じ期間内のローソク足における四本値から取られる平均値が使用されます。例えば、同一期間のローソク足の数値がそれぞれ、『始値:100円/終値:102円/安値:98円/高値:103円』である場合、その平均である100.75円が平均足の終値となります。

平均足の利点

 平均足をチャートとして利用することで、様々な恩恵が得られます。

 中でも、上昇トレンドや下降トレンドが確認しやすい点が最大の特徴といえるでしょう。通常のローソク足チャートの場合、いずれかのトレンド相場が生じている場面でも、その逆のローソク足(上昇トレンドなら陰線、下降トレンドなら陽線)が現れることも少なくありません。これが平均足の場合だと、トレンドが生じている際には、その方向の足が続くため、トレンドの把握が容易です。

 上昇トレンド中には上ヒゲのある陽線が続き、下降トレンド中には下ヒゲのある陰線が続きます。このひげが長く、かつ連続した場合、強いトレンドが生じていると判断できます。

 平均足の実体からも、トレンドの強弱が把握できます。単純に実体が長いほど、その方向への強いトレンド相場が続いていると考えられます。

 更に、トレンドの転換予測も平均足の形状から可能です。

 上昇トレンド中に下ヒゲを持つ陽線が出現した場合、上昇力の低下が示唆されています。逆に下降トレンド中の場合は、上ヒゲを持つ陰線がシグナルとなります。これが生じたからといって即座にトレンドが転換するというわけではありませんが、一目で警戒を強めることができるのが利点です。

 もう1つ、トレンドの勢いが衰えているシグナルとして、前後の平均足の実体を比較する方法もあります。

 直前の平均足と比べて実体が短くなっている場合、トレンドの勢いが低下していると判断されます。このときに先述のようにトレンド方向とは逆側にヒゲが生じている際には、いよいよトレンド転換の警戒を強めたほうがいいでしょう。

レンジ相場では要注意

 このようにトレンド相場では様々な利点がある平均足ですが、レンジ相場ではだましの発生率が高く、有用性は著しく低下します。

 レンジ相場中には、平均足では陰線と陽線が頻繁に入れ替わります。それに加えて、仮に連続して同じ方向の平均足が現れたとしても、直後に反対方向に値動きするパターンも珍しくありません。

 平均足だけではレンジ相場を把握するのが難しい場合は、ボリンジャーバンドなど適宜テクニカル分析のインジケーターを利用しましょう。

ボリンジャーバンドはどう活用する?ローソク足との関係をしっかり把握しよう

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バイナリーオプションで平均足を利用する際の注意点

 バイナリーオプションでも、上記の特徴は有効活用できます。ただし、いくつか注意すべき点はあります。

平均足を単体で使っている場合

 平均足のみを使用してバイナリーオプション取引の分析を行う場合、平均足が現在値を表示していない点を考慮しなければなりません。

 平均足の四本値は先述のとおり、始値は前の平均足四本値の平均値で、終値は現在のローソク足の四本値平均です。通常、完成していないローソク足の終値は現在の価格を指し示しますが、平均足には現在の価格を示す箇所がありません。

 チャートツール、例えばMT5ならば、上記画像のようにローソク足の上に平均足を重ねる上、現在の価格に横線が引かれますので分かりやすいですが、平均足チャートを選択した際に平均足しか表示しないチャートツールの場合、直感的に現在の価格が分からないため、意識して価格を確認するようにしましょう。

レンジ相場でのだましを意識する

 平均足は、レンジ相場ではだましが増える性質があります。そのため、他にレンジ相場の観測がし易いインジケーターを用いて対策する必要があります。

 中でも、先程触れたボリンジャーバンドならば、スクイーズとエクスパンションという2つの状態から、ある程度ではあるものの相場の状態を観測可能です。

 もしボリンジャーバンドがスクイーズの状態にある場合、その瞬間はレンジ相場である可能性が考えられます。その際は取引を控えるか、より短い時間足での観測に切り替えましょう。

 狙い目としては、バンド上に平均足が並ぶバンドウォークが観測された際の、その方向へのエントリー。トレンド系指標のインジケーターによるシグナルは、ローソク足でなくても平均足でも有効に働きます。

まとめ

  • 平均足は価格の値動きを平均化したもの
  • 始値は前の平均足の平均値、終値は同一期間のローソク足の平均値
  • レンジ相場は苦手だがトレンド相場は観測しやすい

 平均足は、始値が前の平均足の中央値から始まるという特性上、ローソク足では往々にして起こり得る窓開けが生じない特徴もあります。窓が生じた際には、価格はその隙間を埋めるように動くこともありますが、この値動きも平均足では観測できない事象です。そのため、この点も注意する必要があるでしょう。

 しかし、基本的な見方が、陰線か陽線か、ヒゲの方向や長さ、実体の長さと、ローソク足単体や複数のローソク足の組み合わせと比べてシンプルで分かりやすいと思われますので、どうしてもローソク足では覚えることが多すぎてよく分からなくなるという場合には、平均足を活用してみてはいかがでしょうか。

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