バイナリーオプションにおける高値掴み/底値売りへの対策法

UPDATE:2022/12/22

 バイナリーオプション取引において気をつけたいのは、『高値掴み』や『底値売り』による損失ではないでしょうか。

 高値掴みとは、レートの上昇局面において、その高値圏において買いポジション=ハイエントリーをしてしまった状況で、底値売りはその逆、下降局面における安値圏での売りポジション=ローエントリーを取ってしまった状況を指します。

 FXの場合、その反転が一時的なものであれば、そのままポジションを保有し続ければ利益に転じると期待できます。しかし、短期決戦型のバイナリーオプションにおいてはそうもいきません。一度高値、あるいは底値でポジションを立ててしまえば、損失の発生は避けられません。

 どうすればこのような事態を回避できるのか。高値掴み、底値売りの対策について、解説します。

そもそも高値掴み/底値売りをしてしまう原因

 対策について見る前に、何故高値や底値でポジションを建ててしまうのかについて、その原因となる代表例をいくつか取り上げます。

レートの急変についていこうとした

 まず1つ目は、レートが急激に動いた際に、慌ててその方向に順張りしてしまった場合です。

 この急激な動きとは、事前にある程度予測された事象、例えば金融にかかわる要人の定例会見や指標発表以外の、文字通り予測も回避も不可能な事象による動きを指します。いくつか直近の例を挙げるなら、2022年6月16日における、金融政策の唐突な転換によるスイスショック※2022年7月8日の、安倍元首相が銃撃されたという一報が流れた瞬間などがあります。

 ※2015年1月の所謂『スイスフランショック』とは別の事象です。

 いずれのタイミングにおいても、ドル円は急速に円高に進み、しかしその直後にその変動分を帳消しにする動きを見せています。このときに、もしレートの動きに無理についていこうとしていた場合、たとえ30秒取引であっても、よほど早い段階で建玉を保有できていなければ、損失が発生していたと予測されます。

 これ以外にも、発表された指標が、事前予測と明らかな乖離がある場合、その結果に従ってレートは急変しますが、その後は比較的早い段階で値を戻す動きを見せることが多い傾向が見られます。総じていえば、想定外の過剰な値動きは、多くの場合直後に否定されると解釈可能です。

抵抗帯を見ていなかった

 もう1つは、抵抗帯、すなわちレジサポラインに近い位置であるにも関わらず、順張りを行ってしまった場合です。

 レジサポラインに関しては、

レジサポラインを意識すればバイナリーオプションで勝ちやすくなる?

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 こちらの記事で触れていますが、多くの場合において、よほど強力なトレンドが生じているか、そのレジサポラインを否定できるだけの好材料がない限り、十中八九一時的なもみ合い、あるいは反発が発生します。

 また、レジサポライン近辺には、多くの決済注文や新規注文が溜まっています。これらがある程度消化されないと、通常の値動きでは簡単にはラインを突破できません。もし2度、3度と天井や底値を叩いたにも関わらずレジサポラインを割れなかった場合、それだけ逆側の値動きを促す注文が溜まっているということになり、トレンドの反転すら想定されます。

 これらを示すのが『三尊』や『ダブルトップ』と呼ばれるローソク足チャートの形です。

ローソク足チャートのダブルトップ・ダブルボトムとは?基準となるネックラインについても解説

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ただの調整をトレンド反転と間違えた

 エリオット波動理論やダウ理論において示されるとおり、値動きには必ずといっていいほど、一時的にレートが反発する調整局面が存在します。

 この調整は、短期的に見ればトレンドの反転と取ることも可能ですが、往々にしてシグナルが生じるより前に元の方向に値動きを再反転させます。となれば、シグナルを待たずに焦ってポジションを建てれば、損失となるのは自明です。

高値掴み/底値売りの具体的な対策

 上記を踏まえて、高値掴みや底値売りの事態を回避するためにしっかりと対策していきましょう。

突発的な値動きにはついていかない

 まずはこの点。あまりに急激かつ一方向の値動きには追従せず、動きが落ち着くまではトレードを避けることです。

 その値動きの要因となったものが指標発表や要人発言であった場合、そのまま値動きの方向へとトレンドを形成する可能性もあります。しかしそれでも、極端過ぎる動きはある程度是正されると考えたほうが賢明です。

 値動きが落ち着いてからでもエントリーは問題ありません。急な動きにパニックになって、無闇にエントリーしないように心がけましょう。

レジサポラインをしっかりと意識する

 何故レジサポラインで反発やもみ合いが生じるのかを理解すれば、レジサポラインを意識しないという選択肢はまずもって生まれません。それが例え『ティックチャート』を用いた取引であっても、同様です。

ティックチャートを用いたバイナリーオプション攻略手法の1例

ティックチャートを用いたバイナリーオプション攻略手法の1例

 値動きの方向が繰り返し反転している共通の価格帯は常に意識し、その近辺で建玉を保有する際には、何故その方向にポジションを建てるのか、普段以上にはっきりとした根拠を持つようにしましょう。

トレンド転換の見極めは慎重に

 ダウ理論において、『トレンドは明確な転換シグナルが発生するまでは継続する』とされています。それすなわち、『トレンド転換のシグナルが出ない限り、それはトレンド相場の調整局面に過ぎない』ということでもあります。

 トレンドが転換するシグナルは、MACDや移動平均線を用いて観測が可能です。

 勿論、シグナルが生じたからといってそれが騙しの可能性は完全に否定されませんが、少なくとも何の根拠もなくトレンドが変わったと判断するよりは圧倒的に優れた分析が可能です。トレンド転換による高値掴みや底値売りも回避が可能となることからも、テクニカル分析は必ず活用するようにしましょう。

まとめ

  • 高値掴みや底値売りの原因は『無理な値動きの追従』『抵抗帯確認不足』『トレンド転換の判断ミス』
  • 急激な値動きはスルーし、レジサポラインをしっかりと意識し、トレンド転換のシグナルを注視すべし

 高値掴みも底値売りも、FXや株式取引においても苦しめられるトレーダーが少なくありません。しかしそれらの場合は、状況にもよりますが、そのまま塩漬けして利益が出ることもあります。

 バイナリーオプションにおいては、高値掴みにせよ底値売りにせよ、やってしまえば損失がほぼ確定してしまう状況ですので、最大限の対策を行い、少しでも損失の確率を下げるよう心がけてください。

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